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2022 Fiscal Year Research-status Report

抗酸菌によるマクロファージの抗原提示抑制に関わるCerS2の役割

Research Project

Project/Area Number 20K17471
Research InstitutionJuntendo University

Principal Investigator

花房 慶  順天堂大学, 大学院医学研究科, 博士研究員 (40867909)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2024-03-31
Keywords極長鎖脂肪酸鎖 / スフィンゴ脂質 / 抗酸菌 / マクロファージ / 殺菌
Outline of Annual Research Achievements

結核菌やMycobacterium avium complex (MAC)のような病原性のある非結核性抗酸菌は、マクロファージに貪食されると食胞成熟を抑制することで細胞内寄生を果たし、さらには、抗原提示を抑制する。2022年度では、ホルボールエステルによりマクロファージ系に分化させた遺伝子改変を行なったヒト急性単球性白血病細胞株THP-1細胞に抗酸菌を貪食させてコロニー形成アッセイ法や局在観察を行った。遺伝子改変を行なったTHP-1細胞は前年度までに作製した極長鎖脂肪酸鎖を有するスフィンゴ脂質 (C24-SL)の生合成を担う酵素であるセラミド合成酵素2 (CerS2)をゲノム編集により欠損した株 (ΔCerS2THP-1)やΔCerS2THP-1にCerS2を過剰発現させた株 (CerS2RTHP-1)を使用した。その結果、CerS2の発現の有無によって非病原性抗酸菌であるMycobacterium smegmatis (MSMEG)の殺菌に影響があることや、食胞成熟の殺菌に重要とされるリソソームマーカータンパク質のMSMEGを内包した食胞への局在が変化することがわかってきた。これらの結果からMSMEGやMACの殺菌に重要な機構が存在すること、また、CerS2もしくはC24-SLが関与する食胞成熟の仕組みが存在する可能性を見出した。このような食胞成熟における分子機構を明らかにするために、現在は生化学的な解析を進めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

今年度の成果から、抗酸菌の殺菌における新たな機構やスフィンゴ脂質が関わる殺菌における分子機構が存在する可能性を見出した。しかしながら、それらの分子機構を明らかにできていないため、現在、解析を進めている。そのため、おおむね順調に進展していると考えられる。

Strategy for Future Research Activity

これまでの結果から、C24-SLが介する食胞成熟および殺菌機構が存在することがわかってきた。しかしながら、食胞成熟に伴ってSLの分子種の中でどの様な分子種が増減しているかは不明である。そこで、質量分析による定量的なSLの解析を行う。また、ヒト末梢血単球由来マクロファージのような実験系を用いて、THP-1細胞以外で同様の結果が得られることを殺菌や局在について解析する。ヒト末梢血単球由来マクロファージの解析においては、C24-SLが介する殺菌機構において重要な役割を担うタンパク質についてsiRNAによる遺伝子干渉法を用いた標的タンパク質のノックダウン条件下により検証を進める。以上の結果から、C24-SLが食胞成熟においてどのように重要であるか、また、抗原提示における役割を明らかにしていきたい。

Causes of Carryover

前年度に引き続き、業務委託費用を他予算から捻出できたため。また、論文執筆のためにより詳細なデータ取得に時間がかかっているため、投稿費用など必要経費を使用していないため。次年度では、学会参加および論文執筆を計画しているため、そのために必要なデータの取得や投稿費用に予算を使用する。

  • Research Products

    (8 results)

All 2023 2022

All Journal Article (2 results) Presentation (6 results)

  • [Journal Article] Biochemical and Microscopic Analyses for Sphingolipids and Its Related Molecules in Phagosomes2023

    • Author(s)
      Nakayama Hitoshi、Hanafusa Kei、Iwabuchi Kazuhisa
    • Journal Title

      Methods in molecular biology

      Volume: 2613 Pages: 203~214

    • DOI

      10.1007/978-1-0716-2910-9_16

  • [Journal Article] Lactosylceramide-enriched microdomains mediate human neutrophil immunological functions via carbohydrate-carbohydrate interaction2022

    • Author(s)
      Iwabuchi Kazuhisa、Nakayama Hitoshi、Hanafusa Kei
    • Journal Title

      Glycoconjugate Journal

      Volume: 39 Pages: 239~246

    • DOI

      10.1007/s10719-022-10060-0

  • [Presentation] リゾホスファチジルグルコシドはGPR55を介してマクロファージに作用しアテローム性動脈硬化症に関与する2022

    • Author(s)
      島井亮輔、花房慶、中山仁志、加藤雅紀、狩野航輝、松尾一郎、平林義雄、岩渕和久、宮崎哲郎、戸叶隆司、南野徹
    • Organizer
      第95回日本生化学会大会
  • [Presentation] リゾホスファチジルグルコシド/ GPR55を基軸としたシグナルを介した好中球ホメオスタシスについて2022

    • Author(s)
      花房慶、李暁佳、大嶋恵理子、堀田知美、伊藤拓夢、狩野航輝、松尾一郎、中山仁志、上口裕之、 平林義雄、岩渕和久
    • Organizer
      第95回日本生化学会大会
  • [Presentation] ヒトマクロファージによる抗酸菌の殺菌機構における極長鎖脂肪酸鎖を有するスフィンゴ脂質の役割について2022

    • Author(s)
      花房慶、中山仁志、山地俊之、岩渕和久
    • Organizer
      第15回セラミド研究会学術集会・第16回スフィンゴテラピィ研究会合同年会
  • [Presentation] 病原性抗酸菌によるスフィンゴ脂質代謝抑制を利用した殺菌回避機構について2022

    • Author(s)
      中山仁志、花房慶、堀田知美、大嶋恵理子、岩渕和久
    • Organizer
      第65回日本脂質生化学会
  • [Presentation] 抗リポアラビノマンナン抗体の結合特異性ならびに自然免疫細胞による抗酸菌貪食への効果に関する検討2022

    • Author(s)
      中山仁志、花房慶、山地俊之、大嶋恵理子、堀田知美、岩渕和久
    • Organizer
      第6回糖鎖免疫研究会
  • [Presentation] 結核菌の殺菌回避に関わるα(1,2)マンナン(ManCap)の合成とその機能評価2022

    • Author(s)
      村上和哉、渡邊真衣、花房慶、中山仁志、岩渕和久、田中浩士
    • Organizer
      日本化学会春季年会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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