2021 Fiscal Year Research-status Report

インフラマソームがRSウイルスの病原性発現に与える影響

Research Project

Project/Area Number	20K17474
Research Institution	Aichi Medical University
Principal Investigator	森田奈央子愛知医科大学, 医学部, 助教 (20815881)
Project Period (FY)	2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords	RSウイルス
Outline of Annual Research Achievements	RSウイルスは、乳児で高率に細気管支炎、肺炎などに移行し重症化を引き起こすウイルスであるが、ワクチンや治療薬はまだ無く、この病原性発現メカニズムも不明である。当研究室では、複数の呼吸器ウイルスにおいてインフラマソーム制御能が保存されていることを明らかにしてきた。インフラマソームは呼吸器ウイルスの肺からの排除に重要なものとして近年注目されている自然免疫機構である。本研究は、組み換えウイルスを用いて、インフラマソームにおけるRSウイルス蛋白質の役割を明らかにすることを目的とする。当該年度では、NLRP3依存性インフラマソームに対する影響について解析を行った。インフラマソーム再構成系にて各RSウイルスタンパク質の影響を調べた結果、NLRP3依存的にインフラマソームを活性化するウイルスタンパク質が見つかった。RSウイルス感染細胞においてもインフラマソームの活性化が確認できたため、このウイルスタンパク質がRSウイルスの病原性に関与している可能性が示唆された。
Current Status of Research Progress	Current Status of Research Progress 3: Progress in research has been slightly delayed. Reason 組換えウイルスの作製に時間がかかっており、前年度の遅れを取り戻せていない。
Strategy for Future Research Activity	組換えウイルスがまだ作製できていないため、野生株のウイルスを用いて研究を進める。野生株のみでは動物実験でメカニズムを解析することが困難なため、in vitroでの解析に変更し、より詳細なメカニズムについて調べることとする。
Causes of Carryover	学会がオンライン開催だったため旅費は使用していない。前年度の新型コロナウイルス感染症流行の影響により実施できなかった分の実験を現在並行して実施しているが、全てを完了することはできなかったため、次年度へ繰り越すこととなった。次年度も並行して行うために繰り越し分を使用する。