2021 Fiscal Year Research-status Report
エリスロポエチンの非アルコール性脂肪性肝疾患の治療に対する有用性の検証
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20K17517
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
都間 佑介 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (60843290)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | エリスロポエチン / 非アルコール性脂肪性肝疾患 / 褐色脂肪細胞 / 脂質代謝 / 肥満 / メタボリックシンドローム |
Outline of Annual Research Achievements |
我々の研究室では以前よりエリスロポエチン(EPO)の抗肥満効果に注目して研究を続けており、EPOが褐色脂肪細胞に作用して抗肥満効果を示すこと(Kodo K,et al.PLoS One. 2017)やEPOが脂質代謝を改善して非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の治療効果を有すること(Tsuma Y, et al. Biochem Biophys Res Commun. 2019)を報告している。褐色脂肪の熱産生の減少はNAFLDの発症につながることが報告されており(Desjardins EM,et al.Curr Diab Rep. 2018)、まずはEPOによる褐色脂肪細胞の熱産生や脂質代謝への効果をin vitroで検証することを目的として、2020年度には不死化褐色脂肪細胞の培養実験を行ない、不死化褐色脂肪細胞の実験系を確立することに成功した。 昨年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症の流行により移動制限がかかったこと、日常診療業務の負荷が増えたことにより、研究時間の十分な確保が出来ないため進捗状況に遅れが生じているところであるが、2021年度においてはEPOと同様に褐色脂肪細胞を活性化することを我々の研究室において発見した物質Xについて検討を行い、前年度に確立した不死化褐色脂肪細胞の実験系を用いて検証を行なった。物質Xの投与により褐色脂肪細胞が分化増殖するデータを得ることが出来た。現在物質XとEPO投与との比較を行い、褐色脂肪細胞の分化増殖における分子メカニズムの更なる解明を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の流行により移動制限がかかったこと、日常診療業務の負荷が増えたことにより、研究時間が十分に確保できず、進捗状況に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
EPO投与との比較を行い、褐色脂肪細胞の分化増殖における分子メカニズムの更なる解明を行っていき、更に褐色脂肪細胞からのBATkineの評価も行い、褐色脂肪細胞と肝臓の連関の検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
予算は大半を使用しており、次年度へ繰越額は試薬等の購入費用に充てる予定である。
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