2021 Fiscal Year Annual Research Report
An enhanced mitochondrial function via glutaminolysis in human B cell differentiation: a potential therapeutic target for type 1 diabetes mellitus
Project/Area Number |
20K17524
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
元 舞子 産業医科大学, 医学部, 非常勤医師 (50596682)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | B細胞 / ミトコンドリア / グルタミン代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、活性化したB細胞に対するグルタミン代謝機序を明らかにし、グルタミン代謝制御による1型糖尿病をはじめとした自己免疫疾患の治療への応用を目的とした。グルタミン非含有培養液において、CpG+IFNαの刺激条件では、形質細胞の分化誘導が有意に抑制され、抗体産生能(IgG、IgM)、Lactate産生能が抑制された。また、グルタミン非含有培養液でCpG+IFNα刺激後に14C glutamineを添加すると、14C glutamineの取り込みが上昇することを確認した。さらに、CpG+IFNα刺激でミトコンドリアの膜脱分極を示すDiOc6が増強することをフローサイトメトリーで確認し、グルタミン非含有では抑制されることを示した。また、電子顕微鏡ではそれらの刺激でB細胞ミトコンドリアの細胞質は膨張し、クリステがルーズになった。グルタミン非含有液でも同様の結果であった。すなわちグルタミンは、B細胞分化、抗体産生において重要であることが示唆された。さらに、Flux Analyzerを用いてミトコンドリア呼吸能(OCR)、解糖能(ECAR)を評価したところ、グルタミン非含有液では、OCR、ECAR、ROS、ATP産生も低下することが明らかとなり、ミトコンドリア代謝にも大きな影響をあたえることが示唆された。次に、AMPKを活性化させるメトホルミンを用いたところ、メトホルミンはグルタミンの取り込みを抑制することにより形質細胞の分化誘導を濃度依存性に抑制し、ミトコンドリアのOCR、ECARも抑制した。 次に、自己免疫疾患であるSLE患者検体を用いて評価したところ、SLE患者の末梢血ではDiOc6が高値でそれらは疾患活動性と正相関していた。以上より、自己免疫疾患患者ではミトコンドリア機能異常をきたしており、グルタミン代謝を介してそれらを是正することが治療となりうることが示唆された。
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