2021 Fiscal Year Annual Research Report
自律型インスリン投与デバイスによる糖尿病合併症の改善効果の検討
Project/Area Number |
20K17530
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
木村 真一郎 名古屋大学, 環境医学研究所, 特任助教 (10805287)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 人工膵臓様デバイス / 糖尿病 / インスリン治療 / 糖尿病合併症 |
Outline of Annual Research Achievements |
① ブタを用いたマイクロニードル融合型デバイスの機能評価;臨床応用を見据え、大幅なスケールアップと低侵襲化を図ることを目的とし、マイクロニードル融合型の自律型インスリン投与デバイス(マイクロニードル融合型デバイス)を開発した。さらに、ヒトとほぼ同等の体重を有するブタを用いて、ヒト用デバイス作製の基盤となるデータを取得した。具体的には、正常および1型糖尿病のブタの皮膚もしくは皮下にデバイスを装着し、血糖上昇に対するデバイスの効果を評価した。インスリンデバイス皮下装着群で、デバイス由来のインスリン放出と血糖改善効果を認めたが、効果は徐々に減弱しており、効果の持続性が課題となった。また、インスリンデバイス皮膚装着群では、デバイスの効果が乏しく、皮膚への刺入性などの改善が必要と考えられた。
② ラットを用いたテレメトリーシステムによる血糖日内変動の評価:新たにテレメトリーシステムを導入しており、従来の間欠的静脈採血や FreeStyle リブレ Pro で困難であった血糖日内変動の詳細な評価を行った。具体的には、ストレプトゾトシン投与による1型糖尿病モデルを用いて、血糖値センサーをラットの腹部大動脈内、送信器は腹部皮下に留置し、テレメトリーシステムによる持続的に血糖値を測定した。ラットは夜行性のため、活動期の夜間に摂餌する。正常ラットでは、摂餌や活動量に関係なく血糖値はほぼ一定に保たれるが、糖尿病ラットでは、夜間(活動期)に高く、昼間(非活動期)に低い明確な日内変動パターンを示すことを確認した。このように、テレメトリーシステムを導入することで、デバイス装着早期の機能評価を連続的、非侵襲的に実施することが可能となった。
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