2021 Fiscal Year Research-status Report
免疫チェックポイント阻害薬投与後の1型糖尿病発症に関連する遺伝子の網羅的探索
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20K17533
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤田 真吾 大阪大学, 医学系研究科, 特任講師 (40865979)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 免疫チェックポイント阻害薬 / 1型糖尿病 / 遺伝子 / エクソーム解析 / 次世代シークエンサー / 網羅的解析 / HLA |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、悪性腫瘍に対する治療薬として免疫チェックポイント阻害薬(immune checkpoint inhibitor:ICI)が広く使用されるようになっている。一方で同薬剤の免疫機能を賦活化する働きにより特有の有害事象が報告され、その中で重要なものに1型糖尿病がある。 本研究の目的は、ICI治療を受けた後に1型糖尿病を発症した患者ならびに発症しなかった患者を対照に網羅的に遺伝子解析を行うことで、ICIによる1型糖尿病発症に関わる遺伝的素因を解明し、ICI治療中における1型糖尿病発症予測に繋がる手法を見出すことである。 対象はA群:ICIによる1型糖尿病発症症例、B群:ICIを長期に投与された後も1型糖尿病を発症していない1型糖尿病非発症症例、方法としては全エクソーム解析を行うことでこれら2群の遺伝的素因の関与を評価する予定である。 A群において1型糖尿病発症に関わると考えられる共通する遺伝子変異を同定すること、ならびにA群とB群の2群間の遺伝的な相違を確認すること、によりICIによる1型糖尿病発症に関わる可能性のある遺伝子を明らかとしたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、A群:ICIによる1型糖尿病発症症例10例、B群:ICIを長期に投与された後も1型糖尿病を発症していない1型糖尿病非発症症例10例を目標症例数に設定していたが、A群は目標10に対して8例、B群は目標10に対して泌尿器科の協力で28例に同意を得ることができている。以上から症例数はほぼ目標を達成できていると考える。現在、対象者の遺伝子解析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は、現在の解析対象者の遺伝子解析結果の評価を進めていく予定である。 当初の本研究計画に従って、①A群において1型糖尿病発症に関わると考えられる共通する遺伝子変異を同定すること、ならびに②A群とB群の2群間の遺伝的な相違を確認すること、によりICIによる1型糖尿病発症に関わる可能性のある遺伝子を明らかにしていく。 対象人数が当初の予定よりも多くなることでより詳細な解析が可能と考えられる。
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Causes of Carryover |
令和2年度は対象者の選定・同意取得を中心に行った。令和3年度は対象者のエクソーム解析を進めている。令和4年度には令和3年度に行えなかったエクソーム解析を行う予定であり、費用が必要である。またエクソーム解析結果の解析に費用が必要である。
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