2020 Fiscal Year Research-status Report
骨格筋量制御におけるカルシウム依存性シグナルの解析
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20K17534
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
平田 悠 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (70846352)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 骨格筋 / 不動化性筋萎縮 / KLF15 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画①「Ca2+バイオセンシングマウスの開発による不動化によるCa2+シグナル低下の証明」については、Cre依存性にCa2+センサーであるGCaMPを発現するアデノ随伴ウイルスベクターを骨格筋特異的Cre過剰発現(MLC1f-Cre)マウスの筋に投与し、二光子顕微鏡で観察することにより、基底状態における筋細胞内Ca2+濃度を検出することに成功した。また、YC3.60-floxマウスとMLC1f-Creマウスとの交配により、FRETセンサーであるYC3.60を骨格筋特異的に過剰発現し、筋細胞内Ca2+濃度を定量的に評価可能なマウスを作成した。
研究計画②「骨格筋特異的急性Ca2+シグナル低下マウスの作成」については、マウスDNA マイクロアレイ解析や培養筋細胞における特異的な阻害薬を用いた検討から、不動化による細胞外からのCa2+流入低下に関わる責任Ca2+チャネル候補を同定した。そこで、この候補遺伝子のfloxマウスとタモキシフェン誘導性骨格筋特異的Cre過剰発現(HSA-Cre-ERT2)マウスの交配により、タモキシフェン誘導性にCa2+シグナルを急性に遮断できるマウスを作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画①については、生体マウスの筋細胞内Ca2+動態を評価可能な骨格筋Ca2+バイオイメージング法を新規に確立した。
研究計画②については、Ca2+シグナルを急性に遮断できるマウスの作成を完了し、同マウスの解析を開始している。これらの点で本計画は順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画①については、骨格筋Ca2+バイオイメージング法を用いて、Ca2+阻害薬や不動化が生体マウスの筋細胞内Ca2+動態に与える影響について検討する。
研究計画②については、タモキシフェン誘導性にCa2+シグナルを急性に遮断できるマウスでは、不動化性筋萎縮に関連した形態および遺伝子発現変化、生化学的変化が生じるか否かを検討する。
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