2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K17535
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
神野 歩 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (60757285)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 膵β細胞 / SGLT2阻害薬 / DNAメチル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
2型糖尿病の進展において膵β細胞不全が機序として占める部分は大きく、特に日本人においては、膵β細胞保護効果を期待した糖尿病治療が望ましい。SGLT2阻害薬は過剰な血糖を尿糖として排出することによって血糖低下作用を示すことから、膵β細胞を疲弊させずに糖毒性を低下させることが膵β細胞保護につながると考えられている。最近我々の研究室では、SGLT2阻害薬を早期に投与開始することによって、途中で中断した場合でも膵β細胞保護効果が増強されることを報告している。 今回の研究計画では、早期投与開始が後々の膵β細胞保護効果を誘導することから、DNAメチル化などのエピジェネティックな制御機構が関与している可能性について検討することとした。まず単離膵島からゲノムDNAを抽出し、網羅的DNAメチル化をMeDIP法で検討することとした。すなわち、遺伝子発現低下かつDNAメチル化増加、および遺伝子発現増加かつDNAメチル化低下を示す遺伝子を抽出し、それらがSGLT2阻害剤早期投与群の膵島においてどのような役割を担っているか検討する。現在までに、15個の候補分子を同定しており、それらが通常状態のマウス膵島において発現していることも確認している。現在は、再度SGLT2阻害剤を2型糖尿病モデルマウスに投与中であり、その後膵島を単離することによりリアルタイムPCRなどで定量化を行い、さらに重要な分子の絞り込みを行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既に網羅的遺伝子発現、およびDNAメチル化解析は終了しており、今年度の多くは解析に時間を費やした。特に、通常状態においても膵島に発現している分子であることが必要と考え、そのような分子群の同定を行った。定量PCRに用いるプライマー設定なども行っており、次年度以降の解析を進めていくうえで準備状況は十分に整っているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、SGLT2阻害剤を糖尿病モデルマウスに投与中であり、2か月後に実験終了予定である。その時点において膵島を単離し、RNAおよびタンパクを抽出する。抽出したRNAをもとに定量PCRを、またタンパクをもとにウエスタンブロッティングを行い、候補分子をさらに絞り込む。候補分子が同定された場合、その分子の過剰発現実験およびノックダウン実験を行うことにより、膵β細胞における役割の同定を行う。
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[Journal Article] GCN2 regulates pancreatic β cell mass by sensing intracellular amino acid levels2020
Author(s)
Kanno A, Asahara SI, Furubayashi A, Masuda K, Yoshitomi R, Suzuki E, Takai T, Kimura-Koyanagi M, Matsuda T, Bartolome A, Hirota Y, Yokoi N, Inaba Y, Inoue H, Matsumoto M, Inoue K, Abe T, Wei FY, Tomizawa K, Ogawa W, Seino S, Kasuga M, Kido Y.
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Journal Title
JCI Insight
Volume: 5
Pages: e128820
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research