2021 Fiscal Year Annual Research Report
免疫チェックポイント阻害による特異的内分泌細胞破壊の病態解明と予知
Project/Area Number |
20K17545
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
武友 保憲 近畿大学, 医学部, 講師 (20580591)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 免疫関連有害事象 / 甲状腺機能障害 / 下垂体機能障害 / 1型糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)irAE発症の実態調査: irAEを発症した症例は120症例(年齢:68.8±9.70歳 性別:男 84名 女 36名)。甲状腺機能障害は65例、下垂体機能障害は35例、1型糖尿病は9例、甲状腺機能障害と下垂体機能障害の合併は8例、1型糖尿病と下垂体機能障害の合併は3例であった。甲状腺機能障害での自己抗体保有率は、Tg抗体: 47.1%、TPO抗体: 42.3%、TRAb: 1.5%。1型糖尿病は、GAD抗体: 33.3%、IA-2抗体: 11.1%であり、いずれも最終的にインスリン依存状態となった。下垂体機能障害での障害ホルモンは、ACTH単独が54.8%と最多であった。 2)irAE非発症者の調査:45例を集積 3)irAE発症者における標的細胞規定因子の検討、および自然発症1型糖尿病、自己免疫性甲状腺疾患(AITD)における遺伝素因の比較: 自然発症について、1型糖尿病277例、AITD866例、健常者230例の集積済みのDNAサンプルを用いてirAE発症者とχ2検定にて解析したところ、1型糖尿病の疾患感受性ハプロタイプDRB1*04:05-DQB1*04:01は自然発症1型糖尿病と同等(NS)、甲状腺機能障害では、AITDの疾患感受性ハプロタイプDRB1*08:03-DQB1*06:01は自然発症AITDと同等(p=0.56)、健常者に比し有意に高頻度(p=0.02)、DRB1*15:01-DQB1*06:02は自然発症AITDと同等(NS)、健常者と高頻度の傾向も有意差に至らず(p=0.27)となった。irAEによる1型糖尿病、甲状腺機能障害はそれぞれ自然発症1型糖尿病、自然発症AITDと遺伝的に類似性を有し、irAEにおいても自然発症と同様に疾患感受性を示す可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)