2022 Fiscal Year Research-status Report
無虚血肝移植術と持続的常温機械灌流の併用による胆管保護法の開発
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20K17546
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤好 真人 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (90844720)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 肝移植 / 虚血再灌流傷害 / 機械灌流 / 無虚血肝移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、当研究の実験系であるラット無虚血肝移植モデルの安定化を中心に研究を進めた。このモデルは複雑な手術操作を必要とするため、技術的な習熟と機材の改善の両面から実験モデルの改良を図った。灌流ポンプの変更により抵抗の強い細径カテーテルの使用が可能となったため、これまでよりも精密な操作が可能となった。ドレナージ系の安定はこのモデルにおける最重要課題であるが、ドレナージカテーテルの素材、サイズおよび加工法の検討により、術中に大きく移動、変形操作を受けるグラフト内で安定したドレナージ経路を確保することに成功した。ドレナージ圧についても、ポンプを用いたアクティブドレナージも含めた検討の結果、落差による自然排液で安全で良好なドレナージを達成した。術式についても、機械灌流の開始時と停止時の操作を定型化した。ドナー手術では、門脈カニュレーション後、肝下部下大静脈切開すると同時に機械灌流を開始し、その後速やかにcavotomyとドレナージカテーテルを併用しながらドレナージを障害しないようにドレナージカテーテルを肝静脈内まで進め、ドレナージカテーテルを灌流回路に接続した後にcavotomyを閉鎖するという手順により安全な機械灌流開始が定型化された。また、レシピエント手術では、肝上部下大静脈をクランプしたまま、門脈のunclampと同時に機械灌流を停止し、その後速やかにドレナージカテーテルを抜去し、肝下部下大静脈をクランプし、肝上部下大静脈をunclampするという手順により安全な機械灌流の停止が定式化された。この方法は臨床における無虚血肝移植をよく再現しており、虚血時間もゼロにできている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究において中心的な実験系となる、ラット無虚血肝移植モデルは、世界的にも未だ報告のない難易度の高いモデルであり、その構築に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度の研究成果によりレシピエントラットの生存が安定的に得られるまでに無虚血肝移植術の術式としての完成度は高くなっている。今後は、酸素担体を用いたnormothermic machine perfusionの導入を行う。
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Causes of Carryover |
無虚血肝移植モデル術式の完成に予定より時間を要したため、normothermic machine perfusionの導入などの研究費の大きな支出を要する研究段階の開始が遅れているため。
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Research Products
(1 results)