2021 Fiscal Year Research-status Report
小児固形腫瘍の初代培養方法の確立と臨床応用に向けた開発研究
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20K17551
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
塚田 遼 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (70838747)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 2継代以上の継代 / 薬剤感受性試験 / 成長因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに提供された小児固形腫瘍検体は共同研究機関からの検体も含めて30検体となり、初代培養細胞を樹立しやすい腫瘍や、樹立が困難な腫瘍が分かってきた。また初代培養細胞の樹立の目安となる2継代以上の継代が可能であったものに対して薬剤感受性試験を行った。前年度に腎芽腫1例、腎ラブドイド腫瘍1例を行ったが今年度は新たに作成した腎芽腫の初代培養細胞1例で実施した。 薬剤感受性試験を行った3例の検体は、2継代以上の継代が可能であり、かつ薬剤感受性試験を行うための十分な細胞数が得られたものである。これまで腎芽腫の初代培養細胞にアクチノマイシンDとビンクリスチンをそれぞれ単剤で投与しWSTアッセイで評価したところ、濃度依存性に細胞死が増加することが確認された。腎ラブドイド腫瘍の初代培養細胞には、これまでラブドイド腫瘍では使用されていない抗がん剤で、濃度依存性に細胞死が確認されたことを報告した。最初に使用した腎芽腫の薬剤感受性試験では、アクチノマイシンDとビンクリスチンの2剤のみであったが、今回は、腎ラブドイド腫瘍と同じように実際の臨床には使用されていない、成人腫瘍で使用されているものを多数使用して行った。その結果、イリノテカンやオキサリプラチンなどで腫瘍細胞の増殖抑制効果を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
多くの薬剤のin vitro実験での適正濃度を割り出す必要があった。その適正濃度を割り出すためにに時間を要したためである。今後は、初代培養細胞を樹立した時点でincucyteを用いて薬剤感受性試験を迅速に行えると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
長期の培養は困難な状況だが、実際の臨床に合わせると、最初の培養細胞が作成できた時点で薬剤感受性試験をすぐに行える体制を構築することで、その腫瘍に選択的に効果が得られる薬剤情報を提供し患者さんの治療に役立てることができると考えている。in vitro上での適正濃度の割り出しが行えたことで、実験を加速度的に行えると考えている。
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Causes of Carryover |
計画の遅延により当初本年度に予定していた実験を次年度に行うことになったため次年度使用額が発生した。次年度の実験費として使用予定である。
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Research Products
(1 results)