2023 Fiscal Year Research-status Report
小児固形腫瘍の初代培養方法の確立と臨床応用に向けた開発研究
Project/Area Number |
20K17551
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
塚田 遼 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (70838747)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 蛍光免疫細胞染色 / 幹細胞マーカー / CD45 / CD56 |
Outline of Annual Research Achievements |
従来の細胞株は、実際の臨床検体の特徴を失い、モノクローナルの性質となっている。今回、患者から得られた神経芽腫の余剰検体から初代培養細胞株を作成し2継代以上の継代が可能であった検体が、実際の神経芽腫の特徴を失っていないか、つまり近似性の評価を行った。神経芽腫は表面形質がCD45-、CD56+の細胞が特徴の一つとされる。今回、in vivoで培養した細胞を集合させ、プレパラート上で蛍光細胞免疫染色を実施し評価した。当初、細胞数が安定しないため、手技に難渋したが、CD45-、CD56+の結果が得られた。以上から、初代培養細胞は、実際に臨床検体の特徴を失っていない可能性が示唆された。ほかにもCD133、CD117、CD24など幹細胞マーカーと呼ばれる抗体についても、その発現を評価し、近似性を支持する結果が得られている。さらに今後、実際の臨床検体と初代培養細胞株、また従来の細胞株からmRNAを抽出しマイクロアレイ解析を行うことで、初代培養細胞株と臨床検体細胞の近似性を追求していく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
腫瘍検体数が少なく、実験スピードが制限される。 また薬剤感受性試験に有用であったincucyteの使用ができなくなった。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまで作成してきた初代培養細胞株を使用する実験に注力する予定にしている。現在、細胞の蛍光免疫染色やマイクロアレイ解析の実験にシフトしている。初代培養細胞、実際の臨床検体、従来の細胞株の性質の近似性を評価するために必要な幹細胞マーカーなどを収集し、新しい研究結果を得たいと考えている。
|
Causes of Carryover |
実験計画が遅れているため、次年度使用額が発生した。今後の研究の推進方策に基づき、次年度の実験費用として使用予定である。
|