2020 Fiscal Year Research-status Report
肝炎治療薬プロパゲルマニウムの免疫賦活化を介した乳がんに対する抗腫瘍効果の解明
Project/Area Number |
20K17556
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
安東 由貴 九州大学, 大学病院, 医員 (50869568)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 乳がん / プロパゲルマニウム / ドラッグリポジショニング / 免疫能賦活化 / CCL2 |
Outline of Annual Research Achievements |
医師主導型治験によりPGを投与された乳がん症例の血液、腫瘍組織、健常組織、腋窩リンパ節組織を用いた。PG非投与群を対照群としてRNA Seq、WESそして蛋白解析を併施したオミックス解析を行った。組織検体はマルチサンプリングによる癌ゲノム進化研究であり、PG投与による免疫反応の変化を病理組織学的解析、マルチサイトカイン解析、免疫に関する包括的遺伝子発現解析を行った。その結果PGは既知のCCL2を標的とした抗腫瘍効果を示した。さらにその機序をマウス実験において免疫学的、分子生物学的手法により検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PG投与群は対照群と比較して、好中球/リンパ球比(NLR)は低下傾向でありCTLの活性化と合致した。また、PG内服により血漿中TNF-α、INF-γは上昇傾向、Th2が産生するIL-5は低下傾向であった。CD8免疫染色を施行したところ、腫瘍組織ではCD8陽性細胞浸潤の割合はPG投与群と対照群で差を認めなかった。RNA-sequenceではPG投与群でCD8、STAT1発現が上昇していた。九州大学生体防御医学研究所 中山敬一主幹教授のご協力のもと、乳癌細胞を移植したマウスに対しPG投与群と対照群で抗腫瘍効果を比較するも有意差を認めなかった。現在PG内服量および至適期間を検討している最中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、マウス実験においてPG内服量および至適期間などの条件を決定した上で実験を継続していく。また、上記医師主導型治験にて得られた腫瘍組織でPG投与群と対照群のCD8免疫染色を行ったところCD8陽性細胞浸潤の割合は両群差を認めなかったが、RNA-sequenceではPG投与群でCD8、STAT1発現が上昇しており、免疫応答の活性化が期待できることを改めて証明した。今後、乳がん患者の臨床検体を用いてこれの検証を行う予定である。
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Causes of Carryover |
次年度の実験消耗品で使用予定。
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[Journal Article] The Expression Level of PD-L1 ( CD274) mRNA in Peripheral Blood Is a Potential Biomarker for Predicting Recurrence in Breast Cancer2020
Author(s)
Takaaki Masuda, Miwa Noda, Akihiro Kitagawa, Qingjiang Hu, Atsushi Fujii , Shuhei Ito, Keisuke Kosai, Yuki Ando, Yoshihiro Matsumoto, Hajime Ohtsu, Hiroki Uchida, Shinji Ohno, Koshi Mimori
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Journal Title
Anticancer Research
Volume: 40
Pages: 3733-3742
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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