2022 Fiscal Year Annual Research Report
免疫チェックポイント蛋白に着目した腎移植における新規免疫抑制療法の提案
Project/Area Number |
20K17564
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
富田 祐介 東海大学, 医学部, 講師 (50622263)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 腎移植 / 制御性T細胞 / 免疫チェックポイント蛋白 / PD1 / SARD-CoV-2ワクチン / 抗ドナー特異的抗体 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトにおける制御性T細胞(Treg cells)や免疫チェックポイント蛋白(PD1)の特性について検討した。 1. ヒトではマウス同様にPD1陽性細胞 はCD4陽性T細胞、 CD8陽性T細胞、B細胞の全てに認めたが、B細胞中のPD1の発現はT細胞と比較し、低値であった。また、腎移植後のレシピエント、慢性腎臓病の症例、健常人の3群間で発現に有意差は認めなかった。 2. 腎移植レシピエントにおけるTreg cellsやPD1陽性細胞の特性について経時的な発現頻度をフローサイトメトリーで検討を行った。術直後はCD25+CD127-CD4+ Treg cellsの発現が低下していた。しかし、CD45RA- activated Treg (aTreg) cells の発現が高かった。また、腎移植後の長期生着に関わると考えられている抗ドナー特異的抗体の新規形成(dnDSA形成)に関わる因子について検討した。dnDSA群でTreg cellsの発現は低値であり、その中でも特にaTreg cellsの発現頻度が有意に低く強い関連性が示された。一方で、抗ドナー非特異的抗体の形成とTreg cellsの発現 との間には相関が認められなかった。 3. 新型コロナウイルス感染症のハイリスク群に属する腎移植患者において、予防ワクチンを接種した後の生体内での免疫反応の変化を検討した。腎移植レシピエントと健常者の末梢血単核球を分離し、接種前と接種後で活性化細胞やPD1陽性細胞の発現を比較した。健常者で活性化T細胞が増加傾向を示し 、PD1+CD8+ T cells の増加が顕著であった。一方で、免疫抑制下にある腎移植レシピエントではワクチンの接種による末梢血単核球への影響は少なく、ワクチン接種のプロトコールを健常人とは変更の必要があることが示唆された。
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Research Products
(5 results)