2021 Fiscal Year Research-status Report
Impact of everolimus on liver regeneration after partial liver transplantation
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20K17581
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
園田 真理 京都大学, 医学研究科, 医員 (40534235)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 部分肝移植 / エベロリムス |
Outline of Annual Research Achievements |
実臨床で部分肝移植直後からエベロリムスを使用することを考慮するにあたりラット肝切除モデルで判明したエベロリムスの肝再生遅延作用がよりclinicalに近い状況である移植モデルで生存に影響するか検証した。ラット同種強拒絶30%部分肝移植モデル(ドナー:DAラット、レシピエント: LEWラット。右葉と尾状葉をグラフトとする。)を用いて移植直後からエベロリムスを投与した。投与量は切除モデルを踏襲しトラフ値を評価した。蒸留水投与群(コントロール群)は拒絶により全例10日前後で死亡した。エベロリムス単剤投与群では、グラフト肝重量は保たれ14日生存可能であったが投与量を増量しても拒絶を制御できず、タクロリムスとの併用を必要とした。しかしタクロリムスを併用しても14日生存率は低く、その死因は肝膿瘍、感染であった。そこでタクロリムス用量の減量を試みたが、拒絶の制御が困難となり14日生存率はタクロリムス単剤群の100%に及ばなかった。14日生存例の腎機能はタクロリムス単剤群よりも有意に良かったが、グラフト肝重量は有意に小さかった。次に、グラフトサイズを大きくした場合の検証目的に同用量のタクロリムス併用群でラット同種強拒絶100%全肝移植モデルで検証したところ感染や拒絶なく14日生存可能であった。以上からエベロリムスを移植直後から使用する際のグラフトサイズの重要性が示唆された。部分肝移植におけるエベロリムスの移植後早期使用には注意を要する可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肝移植モデルでの実験結果を得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
他のグラフトサイズでの検討や論文化を進める予定である。
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Causes of Carryover |
ラット肝移植モデルでの実験において、肝重量による肝再生率から得られた結果が有意であったため、検体の解析にかかる費用(血液検査、免疫染色)が少なく済んだ。翌年度以降は、グラフトサイズを変更した肝移植モデルでの実験を予定しまた論文投稿、学会発表を予定しているため、合わせて使用する予定である。
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