2022 Fiscal Year Annual Research Report
Impact of everolimus on liver regeneration after partial liver transplantation
Project/Area Number |
20K17581
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
園田 真理 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (40534235)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | エベロリムス / 生体部分肝移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
肝移植における課題として免疫抑制剤であるタクロリムス(TAC)の副作用が挙げられる。特に腎障害は長期予後を阻む課題である。免疫抑制効果をもつエベロリムス(EVR)を導入することでTACの減量が可能となり、腎障害の軽減が得られることが最近報告されてきた。その導入は腎障害が可逆的である移植後早期からの導入が良いとされている。臨床現場で、EVRを生体部分肝移植後早期に導入するにあたり、EVRの肝再生への影響を検討しておく必要がある。そこで本研究では、ラット肝切除、肝移植モデルを用いてEVRの肝再生、拒絶、生存、腎機能への影響を検討した。EVRはTACと比べ肝切除後の肝再生を遅延させた。部分肝移植後にEVRとTACを併用すると肝再生が遅延し、TAC単剤に比べ死亡率が上昇した。死因は感染だったためEVRとTACを減量したが拒絶が出現し、全てのラットで拒絶と感染症の発症を共に抑制可能な投与量を決定できなかった。一方で拒絶と感染症の発症を抑制できたラットでは、TAC単剤を投与されたラットに比べBUN、Cre値が低かった。また、全肝移植後にEVRとTACを併用しても拒絶と感染症は発症せず、全例が生存した。 本結果により、生体部分肝移植直後からのEVRの導入は注意すべきであることが判明した。移植前にサイズの大きなグラフトを選択するとともに、移植後の綿密なEVRとTACの投与量調整が必要であることが示唆された。
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