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2020 Fiscal Year Research-status Report

大腸癌における腫瘍免疫が全身性炎症に及ぼすメカニズムの解明

Research Project

Project/Area Number 20K17587
Research InstitutionKumamoto University

Principal Investigator

大徳 暢哉  熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特定研究員 (60867191)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2022-03-31
Keywords大腸癌 / 腫瘍浸潤リンパ球(TIL) / PNI / MSI status
Outline of Annual Research Achievements

今回、大腸癌切除例におけるMSI status別のTILとPNI、予後の関連を評価した。対象は2009年から2012年に当院で手術を施行した大腸癌191例。抗CD3、CD4、CD8、Foxp3抗体による免疫染色を行い、腫瘍先進部TIL数をそれぞれの中央値でHigh群とLow群に分類した。MSI判定はBAT25とBAT26の2マーカーを用い、MSI群とMSS群に分類した。PNIは術前の血清アルブミン値と総リンパ球数から算出し、45をcut offとした。MSI status別のTILとPNIおよび予後との関連を評価した。患者背景:男性:女性=115:76、年齢中央値69歳(19-91歳)、Stage I:II:III:IV=39:61:49:38。MSI群は19例(9.9%)であった。MSI群において右側結腸、低・未分化の症例が多く、またCD8+TIL数が多かった(p<0.05)。MSS群では、無増悪生存期間はCD8+High、CD3+ High、Foxp3+ High群で有意に良好であり(ともにp<0.05)、全生存期間(OS)はCD8+ High群で良好であった(p=0.003)。また、PNIはCD8+ TIL数と有意な相関関係を認めた(p<0.05)。多変量解析の結果、PNIおよびCD8+ TIL数はOSに対する独立予後予測因子であった(PNI; HR=2.866, 95% CI=1.594-5.257, CD8+TIL数; HR=1.298, 95% CI=1.100-1.720)。一方、MSI群ではPNIや予後との間に有意な相関はみられなかった。MSS大腸癌においてTIL、PNIはともに独立した予後因子であり、両者には有意な相関がみられた。宿主の免疫応答が腫瘍局所の免疫動態に影響し、予後と関連していることが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

上記内容について論文作成済みであり、International Journal of Cancerに投稿予定である。

Strategy for Future Research Activity

大腸癌における腫瘍免疫と全身性炎症の関連について解明するため、以下の通り研究を進め論文発表を行う。
①Bio-Plexマルチプレックスシステムを用いて患者血清において、有意に発現しているサイトカインを同定する。
②Bio-Plexマルチプレックスシステム(27種類のILやG-CSF、CCL、IFN-γ、TNF-αなどの測定が可能)を用いて、炎症性サイトカインの発現レベルを測定する。TILおよびTAMの発現レベル、全身性炎症反応との解析を行い、有意な相関を認める分子を同定する。
③大腸癌患者における癌抗原特異的CD8陽性T細胞のサイトカイン産生解析によりサイトカイン産生を確認する 大腸癌患者PBMC (末梢血単核細胞)と大腸癌細胞株を共培養し、フローサイトメトリーにより誘導されたCD8陽性T細胞のサイトカイン産生解析を行う。
④大腸癌細胞株にサイトカイン遺伝子を導入、炎症を惹起することで発現する免疫細胞を確認し、さらに増殖能や浸潤能に与える影響を明らかにする。

Causes of Carryover

理由:試薬、消耗品については、医局内保管のものを使用することができた。また、旅費については、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により学会開催形式がハイブリッド開催へ変更となる事が多く出張が減った為、未使用額が生じた。

使用計画:試薬、消耗品の購入及び研究データの管理、資料整理を行ってもらうための事務補佐員の雇用経費に充てたい。また、最新の研究情報を得るため、及び、研究成果発表のための学会出張旅費にも充てたいと考える。

  • Research Products

    (2 results)

All 2020

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 大腸癌における術前栄養状態と腫瘍免疫、予後の関連2020

    • Author(s)
      大徳 暢哉、宮本 裕士、秋山 貴彦、坂本 悠樹、徳永 竜馬、原田 和人、江藤 弘二郎、日吉 幸晴、長井 洋平、岩槻 政晃、石本 崇胤、岩上 志朗、吉田 直矢、馬場 秀夫
    • Organizer
      第120回日本外科学会定期学術集会
  • [Presentation] 大腸癌切除例におけるMSI status別の腫瘍浸潤リンパ球、PNIの関係2020

    • Author(s)
      大徳 暢哉、宮本 裕士、秋山 貴彦、坂本 悠樹、徳永 竜馬、日吉 幸晴、長井 洋平、石本 崇胤、岩槻 政晃、岩上 志朗、吉田 直矢、馬場 秀夫
    • Organizer
      Japan Digestive Disease Week 2020

URL: 

Published: 2021-12-27  

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