2020 Fiscal Year Research-status Report
間葉系幹細胞と NKT 細胞活性化剤の併用による移植免疫寛容誘導法の研究
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20K17595
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
石井 瑠美 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (40751178)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 間葉系幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウス脂肪組織から間葉系幹細胞を採取する方法を確立した。In vitro系で、間葉系幹細胞とマウス脾細胞の共培養を行い、ここにA liposomal formulation of α-galactosylceramide を添加することで、間葉系幹細胞の免疫調節作用に関連する分子であるIndoleamine 2,3-dioxygenase (IDO)、inducible nitric oxide synthase (iNOS)、ligands for programmed cell death 1 receptor (PD-L1)のmRNA発現の増加と、Treg (CD4+CD25+Foxp3+cells)誘導の促進が認められた。トランスウェルチャンバーを用いた分離培養系でも同様の結果が得られたため、この作用は、液性因子に因るものであることが示唆された。以前同研究室より報告した免疫寛容誘導系において、抗CD40L抗体の代替として間葉系幹細胞を投与することで、免疫寛容が誘導されるかどうかを評価した。前処置における放射線照射量・薬剤投与量・移入細胞数・投与タイミング等において条件設定を行っているが、現段階では免疫寛容誘導は確立できていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度中に、In vitro系において、間葉系幹細胞がNKT細胞の増殖・機能へ与える影響について評価し、ヒト脂肪組織から間葉系幹細胞を精製する方法を確立する予定であったが、達成できなかった。新型コロナウイルス感染症の流行による研究室への入室規制、及び、実験動物室・当科研究室の移設、移設に伴う長期間の機器故障の影響により、研究が大幅に制限され、予定されていた研究項目が達成できなかったため、進行はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、以前同研究室より報告した免疫寛容誘導系において、抗CD40L抗体の代替として間葉系幹細胞を投与することで、免疫寛容が誘導されるかどうかを評価する。現段階では免疫寛容の誘導は達成できていないが、引き続き、前処置における放射線照射量・薬剤投与量・移入細胞数・投与タイミング等において、条件設定を継続する。免疫寛容誘導系が確立できた場合には、メカニズム解析を行う。免疫寛容誘導が困難な場合には、間葉系幹細胞単独の投与で治療効果の得られているモデルにおいて、A liposomal formulation of α-galactosylceramide の併用による治療効果の増強が得られるかどうかを評価する。In vitro系において、間葉系幹細胞がNKT細胞の増殖・機能へ与える影響について評価する。また、ヒト脂肪組織から間葉系幹細胞を精製する方法を確立し、解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の流行による研究室への入室規制、及び、実験動物室・当科研究室の移設、移設に伴う長期間の機器の故障の影響により、研究が大幅に制限され、予定されていた研究の一部を行うことができなかったため。
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