2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of a neonatal intestinal anastomosis training program based on regulatory science
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20K17598
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高澤 慎也 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (40421094)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 小児外科 / 手術シミュレーター / 腸管吻合 / 低出生体重児 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度では、前年度に妥当性を証明した、ウェットタイプの消化管吻合トレーニングモデルを用いて実際の若手小児外科医にトレーニングを行ってもらい、実際に手技が上達するかを検証した。本トレーニングモデルでは、低出生体重児のストマ閉鎖手術所見を参考に口側と肛門側腸管の内径をそれぞれ15mm、6mmとして製作している。また、実際の組織に近い、水分を含有したウェットな質感の素材を用いて製作している。被験者を多く募るために、東京大学を中心とした多機関共同研究として倫理審査を申請し、承認を得た。 2022年度末までに、若手医師5名を対象に、上級医1名を助手としたトレーニングを週1回のペースで6回実施した。参加した若手医師の平均卒後年数は6.4年、2500g以下の腸管吻合の経験のある医師は2名(経験数は1例と2例)であった。トレーニング期間の前後で、同じモデルを用いて一人での腸管吻合を行い、所要時間と吻合後のリーク圧および上級医が評価したObjective structured assessment of technical skill:OSATSの点数を比較した。 結果、吻合の平均所要時間はトレーニング前が44分、トレーニング後が35分と有意な変化は認めなかった(p = 0.06)が、吻合後の平均リーク圧は、トレーニング前後で3.2 hpaから7.2 hpaに有意に上昇した(p = 0.04)。また、OSATS点数は2.5点から3.9点に有意に上昇した(p = 0.0003)。実際に技術が向上することを確認できた本モデルは、Kirkpatrick’s modelのlevel 2に該当すると考えられた。 上記内容は、2023年4月の日本外科学会のワークショップにて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画段階では予定していなかった研究代表者の異動が2021年4月にあり、倫理審査を含めて研究環境を再構築する必要があったため、遅れが生じた。その後の進捗に大きな問題は無く、2022年度は多機関共同研究も始まり、計画は順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、多機関共同研究として複数施設で研究の準備を進めている。各施設の若手小児外科医を対象に、トレーニングを実施する予定である。 また、トレーニングを実施した医師が実際の臨床で手術を行った場合の手術成績についても評価を行う予定である。
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Causes of Carryover |
次年度では、複数施設へ腸管モデルや針糸などの手術材料を郵送し、各施設でトレーニングを行い、トレーニング効果や臨床への効果を評価する研究を計画しており、助成金の余剰分に応じて参加施設を多く募り、評価精度を向上させる予定である。 また、成果発表を行う第123回日本外科学会定期学術集会の旅費、参加費も計上予定である。
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Research Products
(2 results)