2021 Fiscal Year Research-status Report
Classification and functional analysis of mesenchymal cells in pancreatic ductal adenocarcinoma
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20K17611
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
前平 博充 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (30564918)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 間葉系細胞 / 膵癌 / 腫瘍間質 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的:多くの癌腫では腫瘍間質の線維化は強い予後規定因子であり、線維化を含む特徴的な癌微小環境が癌の増殖、浸潤、転移、抗癌剤感受性低下などを誘導するとされている。膵癌は消化器癌の中で最も予後不良な癌腫であり、腫瘍間質に強い線維化が生じることが特徴である。そのため、膵癌治療において線維化を含む腫瘍間質の機能を解析することは重要である。膵癌における腫瘍間質の線維化は、癌関連線維芽細胞(Cancer-associated fibroblast, CAF)などの間葉系細胞により誘導される。我々は膵癌CAFには分子学的な多様性が存在すること、Vimentin陽性かつαSMA陰性CAFの多い腫瘍が予後不良であることを明らかにした。本研究では、3次元培養モデルなど様々な培養形態を用いて、ヒト膵癌細胞の腫瘍間質における間葉系細胞の機能的サブタイプ分類を行い、膵癌と間葉系細胞の相互作用や抗癌剤感受性、in vivoマウスモデルでの検討を行う。これらにより膵癌の予後を規定する重要なバイオマーカーの確立と治療ターゲットの設定が可能となり、新規治療法の開発の一助になると考えている。 実施計画:ヒト膵癌細胞からCAFを含む間葉系細胞を培養し、間葉系マーカーの発現を検討し、αSMA、FAP、Vimentinなどの発現からサブタイプ分類を行う。それぞれのサブタイプの間葉系細胞と癌細胞の共培養を行う。癌細胞の幹細胞化、浸潤能、上皮間葉転換、抗癌剤感受性の変化について検討する。CellBedによる3次元共培養も用いて検討する。上記結果についてマウスモデルで再現性の検討を行う。また臨床検体を用いて実際の膵癌患者における間葉系細胞の表現型を比較検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ヒト膵癌細胞からCAFを含む間葉系細胞を培養を継続しているが、コンタミネーションなどによりサブタイプ分類できるまでの数まで培養が十分にできていない。またCOVID-19の影響で膵癌手術件数が減少している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在3D培養の技術は習得している。今後の方針は、ヒト膵癌細胞からの間葉系細胞培養を進め、サブタイプ分類を行うこと、そして癌細胞と間葉系細胞との共培養を2Dおよび3Dにて行う。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響で、症例数が少なく予定より研究が遅れている。使用計画としては、今後癌細胞と間葉系細胞の2Dおよび3D培養を実施していき、さらに間葉系細胞のサブタイプ分類を行い、それぞれのタイプ別の培養を実施する予定である。
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