2020 Fiscal Year Research-status Report
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20K17623
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
坂本 悠樹 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特定研究員 (70867192)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 大腸癌 / サルコペニア / 腸内細菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
2003年1月から2016年4月までに、大腸癌肝転移に対して、初回肝切除かつ根治切除を施行した158例を対象とした。術前1ヶ月以内に施行したCTを用いて第3腰椎レベルの骨格筋量および臍レベルの内臓脂肪/皮下脂肪の面積比を計測した。カットオフ値は過去の文献から、サルコペニアは男性52.4 cm2/m2、女性38.5 cm2/m2、内臓脂肪/皮下脂肪の面積比は0.4に設定した。サルコペニアの有無・内臓脂肪蓄積の有無で群分けし、肥満およびサルコペニアと予後との関連を検討した。 158例中、男性105例、女性53例で、年齢中央値は64 (25-94) 歳であった。各群でKaplan-Meier法を用いて生存曲線を比較したところ、「サルコペニアなし」かつ「内臓脂肪蓄積あり」の症例で有意に予後良好であったため、以後の解析は「サルコペニアなし」かつ「内臓脂肪蓄積あり」症例(A群:n=117)とその他の症例 (B群:n=41)に分けて検討した。A群はB群と比較して、全生存率において有意に予後良好であった (P=0.027)。Cox比例ハザードモデルを用いて全生存期間に関する単変量解析を行ったところ、同時性肝転移、5個以上の肝転移、CEA高値、CA19-9高値、B群が有意な予後不良因子であった。さらに各臨床パラメータを用いて行った多変量解析では、5個以上の肝転移 (Hazard ratio 2.01、1.07-3.71)、CA19-9高値 (Hazard ratio 1.90、1.06-3.35)およびB群 (Hazard ratio 1.94、1.05-3.50)が独立した予後不良因子であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
進捗は順調である
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、大腸癌原発巣、肝転移巣の切除検体から抽出したDNAを用いて、腸内細菌の評価を行うことを計画している。
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Causes of Carryover |
理由:試薬、消耗品については、医局内保管のものを使用することができた。また、旅費については、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により学会開催形式がハイブリッド開催へ変更となる事が多く出張が減った為、未使用額が生じた。
使用計画:試薬、消耗品の購入及び研究データの管理、資料整理を行ってもらうための事務補佐員の雇用経費に充てたい。また、最新の研究情報を得るため、及び、研究成果発表のための学会出張旅費にも充てたいと考える。
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