2020 Fiscal Year Research-status Report
肥満予防に向けた胃に発現するTRPチャネルと食欲との関連解析
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20K17624
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
早川 俊輔 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (40842381)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | TRPチャネル / 肥満 / 食欲 / 胃 |
Outline of Annual Research Achievements |
消化管の圧受容センサーであるTRPチャネルと食欲との関連を解明する目的として研究を行なっている. 2019年度は,食道癌,胃癌,病的肥満症に対して切除された胃検体を穹窿部大弯,体部大弯,前庭部大弯,体部前壁,体部後壁,体部小弯のそれぞれの部位において,合計約35症例に対して特定のTRPチャネルの免疫染色及びRT-PCRを施行した. 免疫染色に関しては粘膜内のセルカウンターで粘膜に存在する染色細胞の面積割合を測定した.その結果,特定のTRPチャネルの蛋白・遺伝子発現の分布は穹窿部から体部大弯に多く,小弯側や前庭部では少ない傾向にあった.また,特定の部位において患者BMIと特定のTRPチャネルの蛋白・遺伝子の発現に相関が見られた.そのため,胃に発現するTRPチャネルはヒトの食事摂取に関して何らかの影響を与えている可能性が示唆された.しかし,どのような機構で食欲を制御しているかという点については解明できていない.今後の研究でこの機構を解明していくことを目標とする.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多数の臨床検体を用いて,RTPCRと免疫染色を行なうことができた. さらに体重と特定のTRPチャネルとの間に相関があることを解明できた.
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Strategy for Future Research Activity |
今後はグレリンとTRPチャネルの関連について研究を行なう予定である.マウスのグレリン産生細胞である,MGN3-1細胞(和歌山医科大学より譲渡)を用いて実験をすすめていく.TRPチャネルの阻害薬や刺激薬を用いた,細胞内Ca濃度測定や,ELISAによるグレリン濃度測定(Acyl-Ghrelin及びDesacyl-Ghrelin)の施行を予定している.これにより,TRPチャネルを介した食欲制御機構について解明を行なっていく予定である.
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Causes of Carryover |
研究費取得以前に購入した試薬を用いて,実験を行なってきたため,今年度の経費は少なかった.今後は現状の研究の継続のための試薬購入に加え,細胞実験に用いるELISAキットやRTPCRに用いるプライマー,TRPチャネルの作動薬・阻害薬・ポジティブコントロールなど各種薬剤の購入が必要で,経費が増加することが予測される.残額を用いて,それらの購入に充てる予定である.
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