2022 Fiscal Year Annual Research Report
Neutrophil extracellular trap and immune response in gastrointestinal tumor
Project/Area Number |
20K17629
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
佐田友 藍 自治医科大学, 医学部, 助教 (40528585)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 好中球細胞外トラップ / マクロファージ / T細胞 / ケモタキシス / CXCL-11 / 細胞運動 / 免疫チェックポイント分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)健常人末梢血からCD3抗体とr-IL-2で培養した活性化T細胞のCXCL-11(1000ng/ml)に対する遊走能を検討したところ、PMA活性化好中球の存在下で劇的に減少し、その変化はDNase IによるNETsの分解や、遠心分離によってNETs成分を除去しても変化はなかったが、カタラーゼ(800u / ml)で前処理するとキャンセルされた。また、活性化T細胞のplastic plate上のrandom migrationをタイムラプス動画で観察すると、PMA刺激好中球の上清の添加で劇的に抑制された。また、活性化T細胞の遊走はLPS活性化好中球によって有意に阻害されたが、NETsを除去するとその抑制は部分的に解除された。ウエスタンブロッティングにてCXCL-11はLPS刺激好中球に由来するNETsによって完全に分解されたが、DNAseIやプロテアーゼ阻害剤であるPMSFの共存下でその抑制は解除阻害された。 以上のことから、活性化好中球はNETsを含めた複数のメカニズムでT細胞の浸潤を抑制する作用を持つことが明らかとなった。 (2)ヒト大腸癌、卵巣癌におけるNETsと免疫細胞浸潤の検討 ヒト大腸癌63例、卵巣癌の48例の手術切除検体を用いて、組織切片を作成、NETsに特異的なCit-H3抗体を用いてNETsを同定するとともに、好中球、マクロファージ、リンパ球のフェノタイプとその密度を免疫染色にて検討した。CD66b(+)/citH3(+)NETsの密度と, CD3(+)/CD8 (+)T細胞の密度は逆相関することが解った。このことから、ヒト癌組織でのNETsの存在はエフェクターT細胞の浸潤を抑制する方向に働いていることが示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] 大腸がん患者の術直後の血中低比重好中球比率が補助化学療法の再発予測因子となるか2022
Author(s)
風當 ゆりえ, 北山 丈二, 金子 勇貴, 高橋 和也, 木村 有希, 熊谷 祐子, 太白 健一, 直井 大志, 佐田友 藍, 大澤 英之, 宮戸 秀世, 鯉沼 広治, 堀江 久永, 山口 博紀,佐田 尚宏
Organizer
第60回日本癌治療学会学術集会
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[Presentation] 大腸癌患者の術後末梢血中低比重好中球と予後の関連性2022
Author(s)
風當ゆりえ, 北山丈二, 金子勇貴, 髙橋和也, 木村勇希, 太田学, 熊谷祐子, 太白健一, 直井 大志, 佐田友藍, 井上 賢之, 大澤英之, 宮戸秀世, 鯉沼広治, 佐久間康成, 堀江久永, 細谷好則,佐田尚宏
Organizer
第77回日本大腸肛門病学会学術集会