2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of new diagnostic technology with Artificail Interlligence for lymph node metastasis of esophageal cancer.
Project/Area Number |
20K17632
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
佐野 淳一 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (80869230)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 人工知能 / リンパ節転移 / 診断技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はAIを用いて食道癌の内視鏡画像を解析し、リンパ節転移の有無を内視鏡所見から予測する診断モデルを構築することを目的としている。特に早期癌におけるリンパ節転移の有無を内視鏡画像から予測するということを目標におき、将来的に新たな補助診断技術を確立を目指す。 現在、早期食道癌に対する治療は内視鏡治療の適応となる非常に早期のものを除き、食道切除術が基本であるが、食道切除術は依然として侵襲が大きく、合併症や死亡率の高い手術であり、患者のQOLは大きく損なわれる。内視鏡治療を行った場合も、基準以上の深達度や脈管侵襲があった場合は、「リンパ節転移の可能性があり得る」ため、食道切除術が第一選択となっている。しかし実際に手術を施行するとリンパ節転移のない症例も多く、それは手術が不要であった可能性も示唆している。 つまり内視鏡画像からリンパ節転移の有無が高い精度で診断できれば、患者にとって過剰な侵襲を回避できる可能性があり、その判断の一助になることを目標としている。 当院で施行した食道癌手術のうち早期癌(cT1もしくはT1b)で術前診断にてリンパ節転移なしと診断された症例を集積している。現在92例の症例を集め、これらの症例から内視鏡画像をピックアップし、AIで解析を行っている段階である。また画像のみならず、患者背景や組織学的特徴も含めてリンパ節転移診断の診断率を上げる解析の解明に努めている。 また今後はAIの画像解析におけるブラックボックスを明らかにし、熟練した内視鏡医でも判断できない形態学的特徴を調べることも目標としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
症例の集積に関しては、当院で集積しうる最大限の症例を対象として行っている。それぞれの内視鏡画像については集積が終わっており、今後、AIでの解析を行い、さらに患者背景なども合わせて診断率の向上を検討していく。 学会発表などに関しては、コロナウイルスなどの影響で行えていないが、今後は状況次第で行っていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
AIを用いて集積した画像の解析を行う。学習により得られたモデルから実際に新たな症例の画像を解析させ、診断率を調べる。 またAIがリンパ節転移の判断基準としている特徴を解明し、その形態学的特徴も調べていく。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス蔓延の影響で予定していた学会への参加がなくなったため。 また今年度購入予定であったコンピュータやクラウドサービスに関しては次年度に使用することとなったため。 今後は、AI解析を行うための高性能コンピュータの購入とクラウドサービス利用料、学会発表などの経費に使用する予定である。
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