2021 Fiscal Year Research-status Report
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20K17641
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高根 希世子 東京大学, 医科学研究所, 助教 (60756112)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 腹膜偽粘液種 / DNAメチル化 / GNAS / KRAS |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はすでに18検体の腹膜偽粘液腫 (Pseudomyxoma peritonei:PMP) に対し、発現解析を行っている。さらに虫垂原発 aPMP 9 例、卵巣原発 uPMP 6例の検体をInfiniumビーズアレイ850Kを用い網羅的DNAメチル化解析を行った結果、PMPは3つのエピジェノタイプが存在することが判明した。また、虫垂原発のみに限定しDNAメチル化解析を行った結果、aPMPは特異的 DNA メチル化レベルを呈する aPMP (Unique methylation epigenotype: UME 型)と、正常大腸粘膜に近い DNA メチル化レベルを 示す aPMP (Normal-like methylation epigenotype: NL 型)がある可能性が示された。さらに大腸がんをDNAメチル化レベルにより4群(NL型, Low-methylation epigenotype: LME型, Intermediate-methylation epigenotype: IME型, High-methylation epigenotype: HME型)に層別化可能なプローブ(申請者ら, Oncotarget, 2018)を用いて、The Cancer Genome Atlas (TCGA)データベース上の大腸がん297例と正常大腸粘膜37例をaPMPと比較したところ、UME 型 aPMP は LME型大腸がんに、NLME 型 aPMP は NLME型大腸がんに分類された。この結果からも、aPMPには少なくとも2つのサブタイプが存在することが判明した。さらに前述した発現解析と組み合わせ、DNAメチル化が有意に上昇し、発現が有意に減少する遺伝子群を同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
レーザーマイクロダイセクションを用いたDNA抽出において、腫瘍含有量によるDNAメチル化の定量に影響が出る可能性があると考え、事前にHotSpotPanelを用い、KRAS変異やGNAS変異、他の変異の確認を行うことで、大まかに腫瘍含有率を計算し、腫瘍含有率が35%以上占めているDNAのみを解析に回したため、当初の予定より検体数が減少してしまったため。
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Strategy for Future Research Activity |
さらにPMP検体を10検体以上追加し、詳細なエピジェノタイプの特定を行う予定であり、それらのDNAはレーザーマイクロダイセクションを用いて、すでに抽出済みである。また、発現解析はすでに終了しており、今後エピジェノタイプのクラスターと合わせ、発現増加遺伝子中のドライバー候補遺伝子に対し、近似したサブタイプに属する大腸癌細胞株を用いてshRNAによるノックダウン実験を行う。新たな腫瘍抑制遺伝子候補や融合遺伝子候補に対しては、同遺伝子の発現が低い大腸癌細胞株および正常細胞株を用いて遺伝子発現実験を行う。これらの実験により、細胞増殖やムチン遺伝子の発現などに影響を及ぼすかどうか検討する。
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Causes of Carryover |
海外で開催される学会に参加予定であったため、その旅費を計上していたが、コロナにより来年度に延期となったため。
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[Journal Article] Application of targeted nanopore sequencing for the screening and determination of structural variants in patients with Lynch syndrome.2021
Author(s)
Yamaguchi K, Kasajima R, Takane K, Hatakeyama S, Shimizu E, Yamaguchi R, Katayama K, Arai M, Ishioka C, Iwama T, Kaneko S, Matsubara N, Moriya Y, Nomizu T, Sugano K, Tamura K, Tomita N, Yoshida T, Sugihara K, Nakamura Y, Miyano S, Imoto S, Furukawa Y, Ikenoue T.
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Journal Title
J Hum Genet.
Volume: 66
Pages: 1053-1060
DOI
Peer Reviewed
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