2020 Fiscal Year Research-status Report
胃印環細胞癌からアプローチする胃癌組織不均一性に関する研究
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20K17642
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
齊藤 亮 山梨大学, 大学院総合研究部, 臨床助教 (40866604)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 印鑑細胞癌 / 胃癌 / マイクロRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
臨床成績において、早期の胃印鑑細胞癌はほかの未分化型胃癌や分化型胃癌と比較しても、予後が良好である可能性が示された。すなわち、胃印鑑細胞癌は胃癌組織型の中でも特殊な分子病理学的特徴を呈することが考えられる。そこで、腫瘍内不均一性の結果、同一の胃癌組織の中で印鑑細胞癌と中分化型管状腺癌を有する症例を抽出し、各々の部位からRNAを抽出し比較を行なった。対象分子は、我々が主に研究しているマイクロRNAとした。マイクロアレイ解析の結果、いくつかの特定分子の発現が、両者間で顕著に異なることが示された。多数例でのValidationの結果、我々はmiRNA99a-5pに着目した。すなわち、印鑑細胞癌においてmiRNA-99a-5pが有意に高発現していることが示された。次に細胞実験においてmiRNA-99a-5pを胃印鑑細胞株に導入し、増殖能を評価した。すると、高発現細胞においては増殖能が有意に抑制されることが示された。すなわち、miR-99a-5pは胃印鑑細胞内において、細胞増殖抑制的作用を有することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに、臨床組織サンプルにおいて、印鑑細胞癌における高発現マイクロRNAとしてmiRNA-99a-5pを同定した。 同マイクロRNAの細胞内の作用について、引き続き検討を進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞実験においてmiR-99a-5pの導入や抑制を行い、細胞機能評価を行う。 また胃癌モデルマウスを用いて、胃癌進展における役割を検証する。
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Causes of Carryover |
実験計画通りに進行し、概ね予算執行したが、全体の進捗状況により一部が次年度以降に繰り越された。 具体的には細胞機能評価が増殖能評価までとなっているため未使用額が生じ、次年度に遊走能評価、浸潤能評価を行うための消耗品購入費として繰り越す。
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