2020 Fiscal Year Research-status Report
非B非C型肝細胞癌の発育進展に関わる新たな細菌を標的とした革新的治療法の開発
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20K17658
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
美馬 浩介 熊本大学, 病院, 特任助教 (00546559)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 肝細胞癌 / 肝転移 / 腸内細菌 / 免疫細胞 / フレイル / 日常生活自立度 / Fusobacterium nucleatum |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、多数例のヒト非B非C型慢性肝炎由来の肝細胞癌組織中の細菌叢と腸内細菌叢を網羅的に解析し、非B非C型肝細胞癌の発育進展に関わる新たな細菌を同定することである。 熊本大学消化器外科で切除された約500例の肝細胞癌初回肝切除例の患者背景、腫瘍因子、手術因子、化学療法、生活背景、予後に関する情報を含めたデータベースの構築が終了した。肝細胞癌に対し初回肝切除術を施行した225例において、腫瘍周囲に浸潤する腫瘍関連好中球(TAN)や腫瘍関連マクロファージ(TAM)、CD8陽性リンパ球を免疫組織染色により評価した。腫瘍周囲に浸潤するTAN、TAMが多い症例は有意に予後不良であり(TAN OS: p=0.049, DFS: p=0.010, TAM OS: p=0.001, DFS: p=0.013)、一方CD8陽性リンパ球が多い症例は有意にOSが良好であった (p=0.028)。 今後、肝細胞癌組織内の細菌叢を評価し、臨床病理学的因子、フレイルや日常生活自立度低下、免疫細胞、予後との関連を解析する予定であり、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
熊本大学消化器外科で切除された約500例の肝細胞癌初回肝切除例の患者背景、腫瘍因子、手術因子、化学療法、生活背景、予後に関する情報を含めたデータベースの構築が終了し、今後は肝細胞癌組織内の細菌叢を評価し、臨床病理学的因子、フレイルや日常生活自立度低下、免疫細胞、予後との関連を解析する予定であり、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
肝細胞癌における免疫組織染色を用いた免疫細胞の評価法は確立したため、今後症例数をさらに増やして検討する。また、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織や凍結組織を用いた細菌および細菌叢の解析を行い、臨床病理学的因子、フレイルや日常生活自立度低下、免疫細胞、予後との関連を解析する予定である。
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Causes of Carryover |
理由:試薬、消耗品については、医局内保管のものを使用することができた。また、旅費については、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により学会開催形式がハイブリッド開催へ変更となる事が多く出張が減った為、未使用額が生じた。
使用計画:試薬、消耗品の購入及び研究データの管理、資料整理を行ってもらうための事務補佐員の雇用経費に充てたい。また、最新の研究情報を得るため、及び、研究成果発表のための学会出張旅費にも充てたいと考える。
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Research Products
(14 results)