2022 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌における癌関連線維芽細胞に基づく抗がん剤治療効果予測システムの開発
Project/Area Number |
20K17662
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
清水 崇行 獨協医科大学, 医学部, 助教 (50622198)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 大腸癌 / がん関連線維芽細胞 / IL-6 / CXCL-8 / VEGFA / TGF-Beta |
Outline of Annual Research Achievements |
大腸癌手術検体から12例のがん関連線維芽細胞(CAF)の培養に成功した。この12例に対し、抗がん剤(フルオロウラシルとシスプラチン)を培養したCAFへ投与し、抗がん剤投与に対する6つのCAFのバイオマーカーのmRNA発現(IL-6・CXCL8・CXCL12・VEGFA・PD-1・PDGFA・TGF-Beta)を確認した。IL-6,CXCL-8,VEGFA,TGF-Betaがコントロール群と比較して、フルオロウラシル投与群のmRNA発現が有意に変化していた。 抗がん剤に対する大腸癌CAFのこれらのmRNA発現がCAFに特異的な反応であることを確認するため、6種類の大腸癌培養細胞(自家培養株,CACO2,COLO320,CW2,DLD1,WDr)に対して、フルオロウラシルを投与3日後のIL-6・CXCL-8・CXCL-12・TGF-BetaのmRNA発現をリアルタイムPCRを用いて確認した。CXCL-8,VEGFA,TGF-Betaがコントロール群と比較して、フルオロウラシル投与群のmRNA発現が有意に変化していた。 上記の結果から、IL-6がCAFにとって特異的な抗がん剤に対するバイオマーカーである可能性が示唆された。一方で、CXCL-8・VEGFA・TGF-Betaに関しては、CAFは癌細胞と同様のmRNA発現を行っており、CAFが癌細胞の遺伝子発現を増幅している可能性も示唆された。
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