2020 Fiscal Year Research-status Report
大腸癌におけるSWI/SNF複合体の癌制御機能の解明
Project/Area Number |
20K17684
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三代 雅明 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (70645077)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | SWI/SNF複合体 |
Outline of Annual Research Achievements |
癌の発生と進行には、遺伝子の変化だけでなくエピジェネティクス異常も関与しており、画期的な創薬の鍵を握ると期待されている。クロマチンリモデリング因子の1つである SWI/SNF複合体は、アデノシン三リン酸 (ATP) 加水分解のエネルギーを利用してプロモーターとエンハンサーの両方の領域においてヌクレオソームを除去、あるいは移動させることでクロマチン構造を変化させるマルチサブユニット複合体であり、多数の腫瘍でそのサブユニットの遺伝子変化が報告され、癌の発生や進行に深く関与していることが示唆されている。しかしながら、癌制御のメカニズムについては依然として不明な点が多い。さらに、未だ同定されていない癌制御に関連する重要なサブユニットが他にも存在する可能性は十分にあり、さらなる研究が必要である。そこで、本研究の目的はSWI/SNF複合体の癌制御メカニズムを新たなサブユニットの同定も含めた複合体の構成から解明し、クロマチンリモデリングの観点から癌に対する新規治療法の開発を目指すことである。本年度はパブリックデータベース解析 (Chromatin immunoprecipitation sequencing, RNA-sequencing) を行い、癌の発生や進行に深く関与するいくつかの遺伝子のプロモーター領域、エンハンサー領域においてSWI/SNF複合体と共局在している可能性が高い分子を検討し、引き続いてノックダウン実験を行うことで、SWI/SNF複合体の新たなサブユニット候補、SWI/SNF複合体によって発現が制御されている可能性がある新たな遺伝子候補を同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
パブリックデータベース解析を行い、SWI/SNF複合体の新規サブユニット候補であるタンパクXを同定した。そして、大腸癌細胞株を用いて既知のSWI/SNF複合体サブユニットSMARCA4, C1, C2やタンパクXのノックダウン実験を行い、SWI/SNF複合体によって発現が制御されている可能性がある新たな遺伝子候補を同定した。RIME (Rapid immunoprecipitation mass spectrometry of endogenous proteins) 法などの教室では未知の手法に取り組むところまでは至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はタンパクXと既知のSWI/SNF複合体サブユニットとの結合を共免疫沈降によって検討し、さらにSWI/SNF複合体サブユニット (SMARCA4, C1, C2) とタンパクXの抗体を用いて、Chromatin immunoprecipitation qPCRまたはsequencingを行い、標的遺伝子候補のプロモーターあるいはエンハンサー上に共在しているかどうかについて検討する。
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