2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K17685
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西塔 拓郎 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (20646468)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 胃癌 / リンパ節 / T細胞疲弊化 / エクソソーム / 免疫チェックポイント分子 / PD-1 / PD-L1 |
Outline of Annual Research Achievements |
<目的①>胃癌症例55例より、腫瘍(n=38)、転移リンパ節 (mLN, n=24)、非転移近位リンパ節(Proximal, n=137)、非転移遠位リンパ節(Distal, n=56)のサンプルを集積し、組織浸潤リンパ球を抽出した。組織浸潤リンパ球のFACS解析を行ったところ、腫瘍、mLN、Proximal、DistalにおけるCD8陽性T細胞上のPD-1発現は60/44/46/36%、Tim-3発現は7.8/3.1/2.1/1.4%、CD103発現は68/18/11/5.8%と、腫瘍>mLN> Proximal>Distalの順に免疫チェックポイント分子発現が高値であった。また非転移リンパ節中でもpN stageが高いほど、PD-1やTim-3発現は上昇し、サイトカイン産生能が低下し、樹状細胞のCD86発現が低下していた。メモリーT細胞への分化に必須の転写因子であるTCF1に注目し、抗腫瘍免疫に重要と考えられるTCF1+PD-1+CD8陽性T細胞を評価したところ、PD1+CD8陽性T細胞におけるTCF1発現は腫瘍、mLN、Proximal、Distalで33/48/70/54%であった。以上より腫瘍より近位の非転移リンパ節は早期癌でもリンパ球活性化が確認され、周囲のリンパ節転移が多くなるにつれリンパ節中のリンパ球が疲弊化し、転移リンパ節になるとより腫瘍内のリンパ球の疲弊化状態に近づくことが判明した。 <目的②>腫瘍とリンパ節サンプルをDMEMメディウムに留置し、上清より超遠心法を用いてエクソソームを抽出した。この上清を用いてFACS解析によるCD9, CD63, CD81抗体を用いたエクソソーム同定と、エクソソーム上のPD-L1, CTLA-4, TIM-3発現の評価を試みた。しかしながらCD9, CD63, CD81抗体によるエクソソーム同定が未だ出来ていない。
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