2021 Fiscal Year Annual Research Report
選択的オートファジーを介するチロシンキナーゼ受容体TYRO3の膵癌進展機構の解明
Project/Area Number |
20K17689
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
宮内 亘 鳥取大学, 医学部附属病院, 医員 (60762200)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | TYRO3 / 化学療法抵抗性 / オートファジー / 膵癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
膵臓癌は、最も予後不良な固形癌のひとつであり、いかにしてその悪性度や治療抵抗性を獲得しているかは、未解決な課題となっています。受容体型チロシンキナーゼであるTAMファミリーのメンバーであるTYRO3は、膵癌の増悪に寄与する可能性がこれまでの研究により示唆されています。しかし、化学療法抵抗性との関連についてはほとんど知られていませんでした。本研究課題では、膵癌における化学療法抵抗性獲得において、TYRO3の役割を詳細に評価することを目的としました。ゲムシタビンと5-フルオロウラシル(5-FU)に応答して、2つのPC細胞株でin vivoとin vitro実験を行い、増殖と遊走能力、および化学療法抵抗性状態の変化を評価しました。結果として、化学療法抵抗性はオートファジーのTYRO3を介した調節と関連している事が示さました。ゲムシタビンまたは5-FU誘導アポトーシスによる細胞死は、TYRO3サイレンシングによって増加し、TYRO3過剰発現によって抑制されました。興味深いことに免疫組織化学によれば、オートファジーマーカーであるLC3の発現はTYRO3の発現と相関しました。本研究課題において、TYRO3はオートファジーを介して膵癌細胞に化学療法抵抗性を誘発する可能性が示されました。
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