2021 Fiscal Year Annual Research Report
Creation of an instrument for preventing postoperative pancreatic fistula
Project/Area Number |
20K17701
|
Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
兼田 裕司 自治医科大学, 医学部, 准教授 (00600868)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 膵液瘻 / 膵切除術 / 膵体尾部切除術 / 自動縫合器 / 生体吸収性ポリマー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、膵液瘻予防効果における膵断端処置具の自動縫合器法に対する優位性を検証すること、本器具や自動縫合器法が膵に与える病理学的変化を評価し、膵液瘻の病態解明に繋げることを目的とする。本年度は、生体吸収性ポリマーで作成した本器具の膵液瘻予防効果の実証実験を中心に行った。 (A)本器具(生体吸収性ポリマー)の膵液瘻予防効果(術後1週間)の検証(In-vivo):(方法)実験ブタを用いた膵体尾部切除術において、動脈血流を温存しながら本器具で膵断端を閉鎖し、1週間生存させた後に剖検した(2例)。(結果)1週間後の造影CTで膵断端、結紮部の造影効果を認め、血流温存が確認された。剖検では腹水アミラーゼ値上昇を認めず、膵液瘻を認めなかった。病理学的には、膵断端に正常膵組織が広範囲に存在していた。 (B)本器具(生体吸収性ポリマー)の膵液瘻予防効果(術後1ヶ月)の検証(In-vivo):(方法)実験ブタを用いた膵体尾部切除術において、動脈血流を温存しながら本器具で膵断端を閉鎖し、1ヶ月生存させた後に剖検した(1例)。(結果)経過中の造影CTでは膵断端の造影効果を認め、膵周囲の液体貯留を認めなかった。1ヶ月後の剖検では腹水アミラーゼ値上昇を認めず、膵液瘻を認めなかった。病理学的には、膵断端の膵組織は正常で、壊死を認めなかった。 以上の結果から、本器具による膵断端閉鎖は十分な膵液瘻予防効果、膵壊死予防効果があると判断した。本研究で得られた知見をもとに、学会発表、論文作成を進めている。
|
Research Products
(5 results)
-
-
[Presentation] 術後膵液瘻ゼロを目指した、膵断端処置具の創出研究2021
Author(s)
兼田裕司, 木村有希, 齋藤 晶, 青木裕一, 目黒由行, 森嶋 計, 大澤英之, 遠藤和洋, 三木 厚, 小泉 大, 笹沼英紀, 山口博紀, 佐久間康成, 川平 洋, 堀江久永, 細谷好則, 味村俊樹, 北山丈二, Lefor AK, 佐田尚宏
Organizer
第121回日本外科学会学術集会
-
-
[Presentation] An Innovative Device for Preventing Postoperative Pancreatic Fistula When Performing Distal Pancreatectomy: The Road to Zero Risk2021
Author(s)
兼田裕司, 木村有希, 齋藤 晶, 下平健太郎, 青木裕一, 目黒由行, 田口昌延, 笠原尚哉, 森嶋 計, 遠藤和洋, 三木 厚, 小泉 大, 笹沼英紀, 佐久間康成, Lefor AK, 佐田尚宏
Organizer
第33回日本肝胆膵外科学会学術集会
-