2020 Fiscal Year Research-status Report
人工心肺で生じる回路圧上昇に白血球由来細胞外DNAが関与しているかどうかの検討
Project/Area Number |
20K17705
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
八島 望 山形大学, 医学部, 助教 (70637339)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 人工心肺 / 回路圧上昇 / 白血球 / 細胞外DNA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では「人工心肺で生じる回路圧上昇は、白血球由来DNAが引き起こす」と仮説を立て、臨床症例を対象として仮説を検証し、回路圧上昇のメカニズムを解明する。本研究は、3つのステップで研究計画を立てている。研究の第一段階(ステップ1)として、過去に当院で人工心肺を使用して心臓手術をおこなった症例を対象に、手術前および手術中のデータを収集し、それらを後方視的に解析する。回路圧上昇の程度と白血球の関連についてのみならず、回路圧上昇の程度と関連する因子についても探求する。現在までに収集したデータは当初の目標まで達しておらず、今後もデータを収集していく予定である。研究の第二段階(ステップ2)として計画している前向き研究では、人工心肺を使用して心臓手術をおこなった症例を対象として、血液中の細胞外DNA値を測定する予定である。前向き研究として当学の倫理委員会の承認を得たことから、本年度中に研究に着手する予定である。 研究の第三段階(ステップ3)として、回路圧上昇が生じた症例の人工肺を分解し、人工肺に付着している物質を解析することを予定している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究が承認された2020年4月から研究を開始している。ステップ1の後ろ向き研究はすでにデータの収集を開始しており、おおむね順調に進展している。ステップ2の前向き研究は、研究計画では2020年中には実施する予定であったが、まだ実施できていない。これは新型コロナウイルス感染対策に研究の時間を割く必要があったためである。
|
Strategy for Future Research Activity |
ステップ1の後ろ向き研究は、今後も目標数までデータの収集をおこなっていく。データが集まった段階で、統計学的解析をおこなう。 ステップ2の前向き研究は、当学の倫理委員会の承認を得ており、すぐにでも研究を始められる段階にきている。2021年中に研究を開始する予定である。
|
Causes of Carryover |
2020年度に実施した研究は、ステップ1として計画していた後ろ向き研究のみであった。そのため、試薬や研究備品などを必要としなかった。また、新型コロナウイルス感染症の流行にともない、学会・研究会などがWeb開催となったことから、旅費も不要であった。 2021年度中にステップ2として計画した前向き研究を実施する予定である。この前向き研究では、人工心肺を使用して心臓手術をおこなった症例から採取した血液中の細胞外DNAの測定をおこなう。そのための試薬・備品の購入の費用とする。
|