2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of early diagnosis algorithm for paroxysmal atrial fibrillation by machine learning using a smartwatch
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20K17709
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
乾 友彦 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (70816503)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Apple watch / 心房細動 / 機械学習 / 人工知能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はApple watchなどのスマートウォッチに搭載されたPPG技術を使用して計測された脈拍データに対し、機械学習を適用することで、発作性心房細動発生(pAF)を高精度に即座に検出、診断するアルゴリズムを開発することを目的としている。複数のパラメータに基づく予測において、従来の統計的方法では多重共線性や過学習などの問題が発生し、予測精度が低下することが知られているため、Gradient Boosting TreeやRandom Forestといった機械学習手法を用いることで、多数のパラメータから高精度な予測を行う。機械学習による診断性能は学習量によって向上することが知られており多くのデータが必要となるが、まずは2020年7月から3月31日までに心臓手術症例80例のデータを取得した。(術前患者データ、手術実施前後一般病棟において連日24時間テレメトリー心電図とスマートヲッチによる脈拍数の同時記録)。12誘導を取得できなかった短時間のpAFに関してはテレメトリー心電図を確認し、同様に2名の心臓専門医師により診断を行なった。その他の不整脈についてもテレメトリー心電図をすべて確認し、不整脈持続時間を含めて差別化のためラベリングを行なった。この内10~15例のデータを利用して診断アルゴリズムの基盤を作成し、残りの症例データで検証も行うこととした。千葉大学医学部附属病院倫理委員会の承認を得て2021年3月末の時点までの80症例全ての症例データは千葉大学病院データセンターに登録した。 これからのデータを機械学習モデルに適応できるパラメーターに変換して解析を進めている段階である。千葉大学医学研究院附属治療学人工知能研究センターの協力の下でデータ解析を実施している。また今後のデータ取得にむけて加速度センサーからのデータ抽出アプリケーションの再設定、apple watchシリーズ6によるSpO2センサーによる酸素飽和度の測定、睡眠時無呼吸との関連性等の解析も行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年7月から3月31日までに心臓手術症例80名のデータを連続して取得した。術前患者データ、手術実施前後一般病棟においてテレメトリー心電図、スマートウォッチを同時装着し脈拍データを持続的に長期間にわたり1症例あたり最長2週間連続測定した。モニター心電図で発作性心房細動が疑われた場合には、12誘導心電図を実施し、2名の心臓専門医師により診断基準に基づき診断し、発症時間、停止時間をテレメトリー心電図で確認し記録を行った。12誘導を取得できなかった短時間のpAFに関してはテレメトリー心電図を確認し、同様に2名の心臓専門医師により診断を行なった。その他の不整脈についてもテレメトリー心電図をすべて確認し、不整脈持続時間とラベリングを行なった。 スマートウォッチのその他の機能として、加速度センサーデータも取得する計画であったが、加速度測定アプリケーションを作成したもののapple watch内へのデータ保持に問題があり、アプリケーションの作成に時間を要したため、本年度以降のデータ収集を予定している。 千葉大学医学研究院附属治療学人工知能研究センターの協力の下でデータ解析を実施中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度(2020年度)取得した80症例のデータを元に千葉大学医学研究院附属治療学人工知能研究センターが保有するGPUを使用して機械学習を適応してpAF診断アルゴリズムを開発する。機械学習による診断性能は学習量によって向上するため、今後もさらなるデータ収集を継続していく。pAF診断アルゴリズムが完成した後、Apple Watch用にアプリケーションを作成しアルゴリズムの診断精度を前向きに検証していく予定。入院患者で行なった後に、外来通院患者においても検証対象を拡大していく。 また学習によって得られた機械学習モデルをさらに分析していくことで、pAF発生時に発生する心拍変動のパターンの発見や、pAF発生の事前予測にも繋げられると期待される。 新たにApple Watchシリーズ6以降にSpO2データ取得も可能となったため、追加してデータ収集を行い不整脈発症との関連性を分析していく。
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Causes of Carryover |
スマートウォッチのその他の機能として、加速度センサーデータも取得する計画であったが、加速度測定アプリケーションの作成に時間を要した。 今年度研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため、当初の見込み額と執行額が異なったが研究計画に変更はなく、次年度使用額も含めて当初の予定通りの計画を進めていく。
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