2022 Fiscal Year Annual Research Report
人工知能アルゴリズムによる音響解析を用いたLVAD診断システムの構築
Project/Area Number |
20K17715
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三隅 祐輔 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任助教(常勤) (20631477)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 植込み型左室補助人工心臓 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度には、HeartmateII LVAD装着患者の駆動音について、LVAD音響と循環動態因子との関係について解析を行った。具体的には、LVAD装着後に自己心機能が回復しLVAD離脱を行った症例とLVAD装着後に自己心機能が回復しえなかった症例を比較して、LVAD離脱に関連する音響因子の解明を目指している。具体的な方法としては、小型高感度マイクで収録し、カスタムソフトウェアを用いて音響信号を解析した。LVADポンプ回転に伴う楽音及びその他のノイズについて、周波数成分と振幅成分等を抽出した。続いて音響データの数値化(特徴量の抽出)、予測因子の選択(重要特徴量を決定)、これらと臨床的に定義したアウトカムとの比較検討を行った。機械学習による予測モデルの作成と検証を行っている。本研究成果は現在学会への投稿を準備している段階である。 上記計画と並行して、現在の主力機種であるHeartmate3補助人工心臓(LVAD)装着患者の駆動音データの収集と解析を行った。また音響データの収集と並行して、臨床的なアウトカム情報も集積し、音響と臨床所見との関係性に関して、機械学習を用いた予測アルゴリズムの作成を行うことを目標としている。Heartmate3装着患者の音響データ収集に関しては期間内に予定症例数まで蓄積ができなかったため、引き続き次年度以降も計画を継続する予定としている。また、Heartmate3では旧世代の機種と比較して血栓症などのイベント発生率が低下していることから、音響解析を用いて同定するべき臨床的アウトカムについて検討する必要がある。
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