2022 Fiscal Year Annual Research Report
CKAP4 Sandwich-ELISAを用いた新規肺癌血清マーカーの開発
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20K17746
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
名越 章裕 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (90860297)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | CKAP4 / エクソソーム / 肺がん / 腫瘍マーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
小胞体の構造維持に関与するII型膜タンパク質のcytoskeleton-associated protein 4(CKAP4)は、膵がん・肺がん等の種々のがんの細胞膜にも発現している。CKAP4は、Wnt/β-cateninシグナルの構成因子である分泌タンパクDKK1(Dickkopf1)の受容体として機能し、ホスファチジールイノシトール3リン酸キナーゼ(PI3K)とAKTを活性化する事で、がん細胞の増殖を促進することが分かってきた。さらに、CKAP4はDKK1と結合後、エクソソームとして細胞外に分泌される。また抗CKAP4モノクローナル抗体は膵がん細胞株に対して腫瘍増殖抑制効果を示す。本研究では、肺がんにおいてCKAP4が診断と治療のための標的となり得るかを検討した。 92例の肺がん患者、および健常者の血清CKAP4濃度をサンドイッチELISA法で測定すると、肺がん患者の血清CKAP4陽性例は18例(19.6%)であり、健常人の6例(6.5%)よりも有意に多かった(P<0.01)。続いて、抗CKAP4抗体を用いた肺がん組織免疫染色を行うと、血清CKAP4陽性率は染色陽性群にて17/70例(24.3%),染色陰性群において1/22例(4.5%)であり、染色陽性と血清CKAP4陽性には有意な相関が見られた(P<0.01)。 EGFR変異を持つヒト肺がん細胞のうちDKK1を発現し、かつ細胞膜上にCKAP4を発現している細胞株HCC4006に対して抗CKAP4抗体の投与を行うと、in vivo, in vitroでがん細胞のAKT活性が阻害され、その作用はEGFRチロシンキナーゼ阻害薬osimertinibとの併用で増強された。 以上の結果より、CKAP4陽性肺がんにおいてCKAP4は、血清中に分泌されバイオマーカーとなると共に、肺がんの治療標的分子となり得る可能性が示唆された。
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[Presentation] The utility of the anti-CKAP4 monoclonal antibody in DKK1-CKAP4 signal-activated lung cancer2022
Author(s)
Akihiro Nagoya, Ryota Sada, Hirokazu Kimura, Hideki Yamamoto, Eriko Fukui, Toru Kimura, Takashi Kanou, Naoko Ose, Soichiro Funaki, Yasushi Shintani, Akira Kikuchi
Organizer
IASLC 2022 Asia Conference on Lung Cancer
Int'l Joint Research