2020 Fiscal Year Research-status Report
Novel therapeutic approaches for lung cancer by using iPS cell-derived organoids
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20K17748
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
枝園 和彦 岡山大学, 大学病院, 講師 (30708079)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 非小細胞肺がん / iPS細胞 / オルガノイド |
Outline of Annual Research Achievements |
iPS細胞から肺組織への分化誘導に必要な増殖因子や低分子化合物を細胞培養培地に付加することで、iPS細胞を徐々に肺組織へと分化誘導した。さらに、肺の前駆細胞を用いた3次元培養を行うことで、肺胞オルガノイドを作成することに成功した。これらの過程で、誘導期間や培地に加える増殖因子や低分子化合物といった肺胞オルガノイド作成のための条件の最適化を図ることで、安定して均質な肺胞オルガノイドを作成することが可能となった。これらについては、免疫染色などのタンパク質発現解析から肺胞オルガノイドとヒト肺の特徴の相同性を確認した。 引き続いて、iPS細胞へがん遺伝子を導入し、肺胞オルガノイドへ分化誘導することを試みた。その際に、Tet-Onシステムを用いることで、オルガノイド形成後に薬剤投与によってがん遺伝子を発現するモデルを構築することに取り組んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度中に予定した通りの成果を得ることが出来たため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きiPS由来肺がんオルガノイドモデルを樹立する。これらを用いて、増殖能や薬剤感受性試験、遺伝子発現解析、マウスXenograftモデル等を用いた腫瘍形成能や組織学的特徴などの腫瘍表現型の評価を行い、肺がんモデルとしての妥当性を検証する。 さらに、これらの肺がんオルガノイドモデルと、線維芽細胞株等の間質細胞とを共培養することで、生体内における腫瘍微小環境をより精巧に再現したモデルを作成する。最終的には、これらのモデルを用いて、がん微小環境と薬物治療抵抗性機序についての詳細な検討を加えることを予定している。
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