2021 Fiscal Year Research-status Report
Patient-derived AVATAR mouse models for developing novel treatment for chemo-resistant SCLC patients
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20K17753
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
藤野 孝介 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (10837339)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 肺癌 / 癌治療 / 小細胞肺癌 / PDXモデル / 薬剤耐性化 |
Outline of Annual Research Achievements |
肺癌患者腫瘍を免疫不全マウスに腫瘍を移植して作成するPDXモデル作成のプロトコールの確立、確立した患者アバター(PDX)が実際の患者腫瘍と組織学的、分子遺伝子学的に相同性が認められるか、さらに患者と同様の薬物療法を行った場合に腫瘍への感受性は患者のものと相同しているか、薬物療法耐性化を起こした場合にどのような分子遺伝子学的特徴、変化が現れるかについての研究を行った。さらに、2021年度は患者アバターに化学療法を行うことで薬剤療法に耐性化を獲得した薬剤耐性患者アバターの作成を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
12系統の肺癌切除検体及び生検検体をPDX(患者アバター)作成に導入し11系統でのPDX腫瘍の作成に成功した。そのうち、8系統では3継代移行の安定PDX株の作成に成功し現在も継続培養中である。2020-2021年はPDXの樹立及びその特性の解析を主に行った。患者腫瘍及び初代樹立PDX及びその後の継代PDXの組織形態学による相同性評価及び遺伝子変異情報の相同性及び変化についての解析を2021年までに終了した。組織学的には患者検体から継代を繰り返しても同様の組織型が維持されており免疫組織学的評価でも発現パターンに差はなかった。ただし、3継代以上の継代ができなかった系統のPDX腫瘍は壊死、角化の傾向が強く組織形態学的には第1世代までは患者からの腫瘍特性を維持しているものの第2世代以降では維持されているとはいい難い所見であった。従ってPDX腫瘍は患者からの腫瘍の特性、情報をある程度は維持されるものの完全ではないことが証明された。網羅的遺伝子解析の結果、患者腫瘍から3代目継代PDXまでは主要な遺伝子変異(P53等)は維持されているがPDX腫瘍では変位アレル頻度の低い遺伝子変異が多数出現しており遺伝子変異解析モデルとしての使用には疑問が持たれる結果であった。2021年からはさらに臨床患者と同内容レジメンの薬物療法を施行し感受性、及び耐性化モデルの作成を行った。現在までに 5系統での薬物療法耐性化を獲得したPDX作成に成功しており次世代シーケンサーを用いた遺伝子発現解析及び耐性化メカニズムにかかわる分子の解析を開始した。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度に5系統で確立された薬剤耐性化PDXモデルを用いて薬剤治療を行っていないPDXモデルとの比較実験を重点的に行う。 次世代シーケンサーを用いた遺伝子発現解析、免疫組織学的解析により薬物療法耐性化のメカニズムの解析をさらに進める。おおよそ本年度に終了する予定である。
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Causes of Carryover |
2021年度は解析サンプルの作成、回収を主に行った。 2022年度にサンプルの解析を行うための経費に使用する予定
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Research Products
(1 results)