2020 Fiscal Year Research-status Report
Patient-oriented Immunooncology with Patient-derived Xenograft model and Tumor Infiltrating Lymphocytes
Project/Area Number |
20K17754
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
松村 勇輝 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (30747225)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 肺癌 / がん免疫療法 / 腫瘍浸潤リンパ球 / 患者由来腫瘍組織移植モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
免疫療法,特に免疫チェックポイント阻害薬(以下ICI)の登場によって肺がん治療はパラダイムシフトとも言える大きな転換期を迎えた.しかしながらその恩恵を受けられるのは全患者の約20%程度と低く,その原因として同治療の効果予測のためのバイオマーカーが確立していないことが挙げられる.そこで我々は以前から解析してきた腫瘍組織内に浸潤したリンパ球(以下TIL)と患者腫瘍組織移植(以下PDX)モデルを組み合わせ, 患者由来の腫瘍細胞とTILからPDXモデルを確立することを目指している.本研究の目的は同モデル上でのICIによる腫瘍縮小効果を解析し, 個々の患者におけるICIの効果予測モデルを開発することである. 令和2年4月から令和3年3月までに計74例の肺癌患者の腫瘍組織と末梢血を採取した.MACSTM systemにて腫瘍組織は腫瘍細胞とTILに, 末梢血は末梢血単核球 (PBMC)にそれぞれ分離して液体窒素中に保存した.一部の検体はFACSでTILのサブセット解析 (CD3, CD4, CD8, PD-1, TIM3, LAG3等) を行った.さらに近年がん免疫療法の新規バイオマーカーとして報告が増えている三次リンパ様構造 (TLS)も切除検体の病理組織を用いて評価した.PDXモデルに関してはin vivoでのICI投与の前段階としてin vitroにおいて腫瘍細胞とTIL, ICIを共培養し, TILからのIFNγ産生能をELIspot assayで解析した.一方でMACSTM systemで分離した腫瘍組織をRMPI培地で培養したが, 腫瘍細胞が増殖しなかったため, 問題点を分析して再度試みる予定である. 今後は病理組織中のTILとTLSの解析をさらに進めつつ, PDXモデルに向けた問題点を一つずつ解決していく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和2年4月から令和3年3月までに計74例の肺癌患者の腫瘍組織と末梢血を採取した.MACSTM systemにて腫瘍組織は腫瘍細胞とTILに, 末梢血は末梢血単核球 (PBMC)にそれぞれ分離して液体窒素中に保存した.一部の検体はFACSでTILのサブセット解析 (CD3, CD4, CD8, PD-1, TIM3, LAG3等) を行った.さらに近年がん免疫療法の新規バイオマーカーとして報告が増えている三次リンパ様構造 (TLS)も切除検体の病理組織を用いて評価した.本学において過去に非小細胞肺癌に対してがん免疫療法を受けた患者を解析した結果, 長期抗腫瘍効果を得ている患者はそれ以外の患者と比べて病理組織中のCD8陽性TILやTLSが有意に多かった. PDXモデルに関してはin vivoでのICI投与の前段階としてin vitroにおいて腫瘍細胞とTIL, ICIを共培養し, TILからのIFNγ産生能をELIspot assayで解析した.一方でMACSTM systemで分離した腫瘍組織をRMPI培地で培養したが, 腫瘍細胞が増殖しなかったため, 問題点を分析して再度試みる予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は病理組織中のTILとTLSの解析をさらに進める計画である.具体的には免疫組織染色を用いてTILとTLS内リンパ球のサブセット解析を予定している.ELIspot assayについてはIFNγの発現量とTILのリンパ球サブセット解析やがん免疫療法を受けた患者の抗腫瘍効果との比較, 現行のがん免疫療法のバイオマーカーであるPD-L1発現との比較を行なっていく予定である.PDXモデルはについては上述した様にMACSTM systemで分離した腫瘍組織をRMPI培地で培養してみたが腫瘍細胞が増殖しなかったため, 問題点を分析して再度試みる予定である.
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Causes of Carryover |
効率のよい執行に努めたことにより、わずかに残金が生じた。 残金は、次年度の研究のさらなる充実のために活用する。
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Research Products
(2 results)
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[Presentation] 肺癌切除検体から考える免疫療法のバイオマーカーとしての三次リンパ様構造2020
Author(s)
松村勇輝, 峯勇人, 髙木玄教, 渡部晶之, 尾崎有紀, 福原光朗, 武藤哲史, 岡部直行, 長谷川剛生, 塩豊, 鈴木弘行
Organizer
第37回日本呼吸器外科学会学術集会