2020 Fiscal Year Research-status Report
革新的技術による微小転移の可視化と転移初期段階の分子機構の解明
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20K17756
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
柴野 智毅 自治医科大学, 医学部, 助教 (10648900)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 肺がん / 転移 / 微小環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
AkaLuc遺伝子に赤色蛍光タンパク質mCherryもしくはVenusの遺伝子を連結した発現ベクターをヒト肺腺がん細胞H2009に発現させた細胞株を作成し、マウスの左心室に移植した。AkaLucを用いた解析ではIVISにおいてD-Luciferinでは検出できなかった転移巣を特定することに成功した。また経時的には移植後0~3週目までは発光が次第に消退していくが、3週目以降は発光部位が局在化し、一定の期間定常化した後、徐々に発光が強くなる傾向がみられた。これはがんの転移形成の初期段階の経過を見ているものと考えられた。 さらに、屠殺解剖した臓器をIVISで観察したところ、転移の局在を肉眼的に確認することができた。また臓器を直接蛍光顕微鏡で確認してみると、微小転移と思われる蛍光発色を確認することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
がん細胞へのAkalucの発現、それを用いた転移モデルの作成を達成したため概ね経過は順調であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
in vivoにおける微小転移モデルの作成には成功した。しかしながら、組織検体において微小転移は未だ確認できていない。 現在はCUBIC法を用いた臓器透明化による組織学的な微小転移の可視化に向けて実験中である。またin vitroにおいてはmRNAやメタボローム解析で得られた結果を参考にし追加実験を検討中である。
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Causes of Carryover |
今年度はin vivoの実験が中心であり、マウスの購入費用などの経費しか掛からず、予定よりも支出が少なかった。 次年度以降はin vitroでの解析が中心となってくるため、研究に必要な金額は増えるよ予測される。
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