2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of training and simulation programs for tracheobronchial reconstruction surgery using a three-dimensional operable airway model from clinical computed tomography data
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20K17762
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
橋本 浩平 公益財団法人がん研究会, 有明病院 呼吸器外科, 副医長 (70464964)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 気道再建術 / 外科シミュレーション / 外科トレーニング / 3Dプリンター |
Outline of Annual Research Achievements |
健常人ボランティア1名の単純胸部薄切りCTデータから実物大の軟性気道モデル試作品が完成している。本モデルを用いて、気管および気管支吻合が実際の手術と同様に実行できることを確認した段階にある。厚みや硬度などの製造過程でのパラメーターを調整でき、組織の硬度、弾力や伸縮性、針を通した際の抵抗感などは生体での手術に近い感覚であることを、申請者及び複数の呼吸器外科専門医の評価も得ている。術野を作り出すための固定具の開発も進んでおり、プロトタイプが完成している。実際の模擬手術も複数の部位で複数回行っており、気道再建の手技が再現性をもって行えることを確認している。本実績をもって、特許申請の準備段階にある。ブタによるトレーニングに関しては、研究者の異動やコロナによる影響で始められていない状況にある。気管モデルが完成次第、実験を始める予定である。 また、プロトタイプとそれを用いた模擬手術に関して呼吸器外科学会学術集会に抄録を提出して、採択されている。2021年5月20日・21日の予定で発表予定である。特許出願後には、データを補完して審査請求を予定する。また、学会活動を通じて特許社会実装を推進する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
健常人ボランティア1名の単純胸部薄切りCTデータから実物大の軟性気道モデル試作品が完成している。本モデルを用いて、気管および気管支吻合が実際の手術と同様に実行できることを確認した段階にある。厚みや硬度などの製造過程でのパラメーターを調整でき、組織の硬度、弾力や伸縮性、針を通した際の抵抗感などは生体での手術に近い感覚であることを、申請者(肺癌や肺移植などの各種悪性・良性気道手術に精通)が確認している。気管・気管支形成術に習熟した複数の呼吸器外科専門医の評価も得ている。呼吸器外科専門医のアンケートでは、手術の際に重要となる感性要素はスコア5のうち平均3点以上を得ている。術野を作り出すための固定具の開発も進んでおり、プロトタイプが完成している。あらゆるサイズの気管モデルに対応できる仕様となっている。実際の模擬手術も複数の部位で複数回行っており、気道再建の手技が再現性をもって行えることを確認している。本実績をもって、特許申請の準備段階にある。ブタによるトレーニングに関しては、研究者の異動やコロナによる影響で始められていない状況にある。 また、呼吸器外科学会学術集会に抄録を提出して、採択されている。2021年5月20日・21日の予定で発表予定である。抄録発表前には、特許の申請を行う予定であり準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、実際にモデルを用いて、修練医に向けて気道再建手術のトレーニングプログラムを開発し、修練医に実際にテストを行いプログラムの有用性を示す。気管モデルが完成次第、ブタを用いた実験を始める予定である。 また、定型的な再建技術を有する専門医に向けて、最高難度の複雑気管・気管支再建手術のための患者に特化した個別化シミュレーションプログラムを開発する。これらのシステムと技術要素は、いずれも新規性と進歩性を備える発明を含み、特許出願対象技術となる。最終的には、実物大の精密な軟性気道モデルと技術習得の為のプログラムを用いたラボトレーニングの普及により、国単位での手術成績向上を目標とする。 特許出願後には、学会活動を通じて特許実施・実用化を推進する。
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Causes of Carryover |
3Dモデルのデザインや作製はおおむね予定通りではあるが、その効果を実証するためのブタを用いた実験が始められていないのが大きな原因である。コロナ肺炎の蔓延による、実験の制限や移動の制限、また2020年度のはじめに研究者が異動しており環境が変わったことも影響している。 繰り越した助成金は、ブタの実験への資金として予定している。
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