2023 Fiscal Year Research-status Report
ゲノムの詳細解析に基づく若年肺癌発生分子機序の解明
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20K17770
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
角南 久仁子 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医長 (70766823)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | AYA世代がん / ドライバー遺伝子異常 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、若年(Adolescent and Young Adult, AYA) 世代における発がんに影響を及ぼす分子生物学的機序の解明を目的として、全ゲノムシークエンスを主体としたゲノム解析やRNAシークエンスデータと共に、患者背景を含めた臨床情報の統合解析を行っている。AYA世代がんは希少がんとしても注目されているが、対象がん種は特に予後不良かつ症例数の多い非小細胞肺癌 (NSCLC)である。これまでの研究では、主要なドライバー遺伝子検索の結果、AYA世代NSCLCにおいてはドライバー遺伝子異常として融合遺伝子の頻度が高いこと及び、本邦において最も頻度が高いEGFR遺伝子変異においては、AYA世代がんでは既報の通りEGFR L858R変異よりもexon 19 deletion変異の割合が大きいことが確認された。更なる症例集積を目的として、既に全ゲノム解析データを取得済みのAYA世代症例を含むNSCLC症例61例を対象に加え、ドライバー遺伝子異常の抽出及び臨床情報の精査を、受動喫煙歴を含む患者背景などより詳細な臨床データを主に診療録から収集し、ゲノム解析に基づいた特徴と併せた検討に着手をした。また、公開データベースを用いて症例数を増やした検討に着手をした。さらに、より詳細な臨床データを主に診療録から収集し、ゲノム解析に基づいた特徴と併せた検討に着手をした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
全ゲノム解析の臨床実装に向けた全国展開との兼ね合いがあり、症例集積に難航した。そのため、取得済みの全ゲノム解析データの検証および臨床データの収集を実施して研究を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に抽出した新規AYA症例に対して全ゲノム解析およびRNAシークエンスデータ取得を進める。また、収集した臨床データとの関連解析を実施し、最終的にはAYA世代がんと非AYA世代がんにおけるゲノム情報及び臨床情報を基にした比較検証を実施する。
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Causes of Carryover |
症例選択及び、既存データの解析を実施したことから当初実施する予定であった全ゲノムシークエンス、解析費用が次年度に繰り越しとなった。
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