2021 Fiscal Year Annual Research Report
マウス大腿非小細胞肺癌モデルでのクライオアブレーションとPD-1阻害薬の併用効果
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20K17771
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
白井 俊 愛知県がんセンター(研究所), 腫瘍免疫制御TR分野, 研究員 (00779530)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 腫瘍免疫 / 非小細胞肺癌 / 免疫チェックポイント阻害剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
愛知県がんセンターにおける 症例集積では当該研究期間で完全切除を受けた 原発性肺腺癌症例のうちmRNAシーケンスやFACSなどの免疫学的解析を行えた症例は112例、そのうちImmune checkpoint inhibitor(ICI)を投与された症例は4例であった。その投与前後における血液および腫瘍検体を採取して解析を行った。 腫瘍浸潤リンパ球をFACSで解析するとCD8陽性T-cellの数がImmune checkpoint inhibitorの投与で増加していて、中でもより腫瘍特異的なCD8陽性/CD39陽性/CD103陽性の分画が有意に 増加していることがわかった。 同様に 免疫抑制環境について解析すると、FoxP3、 ICOS、 LAG3、 TIGIT、 CTLA4などの免疫抑制性分子の発現がICI投与後に低下することがわかった。反対に、fresh tumor digestにおけるinterferon gamma、IL1 beta、CXCL6の数値がICI投与によって有意に増加することが免疫サイクルをdriveする可能性が示唆された。 本研究では当初の動物実験が諸事情により困難となったため当初の研究計画の変更を余儀なくされたが、ヒト検体を用いた免疫チェックポイント阻害剤の投与前後での腫瘍の免疫学的微小環境の解析によって、免疫チェックポイント阻害剤がより効きやすい微小環境の構築に向けた基礎的知見をえることができたと考えている。今後は研究成果をもとにして、免疫チェックポイント阻害剤投与による微小環境の変化のデータをさらに積み上げて論文発表を目指す予定である。将来的にはNeoantigenの同定、In vitroでのセレクション、それをIn vivoで投与してその効果を確かめることまでを視野に入れている。
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