2020 Fiscal Year Research-status Report
肺原発浸潤性粘液腺癌の免疫学的微小環境の解析とネオアンチゲン探索
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20K17772
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
仲西 慶太 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (80868290)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 腫瘍免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は浸潤性粘液腺癌の解析対象のうち、当初の研究計画のとおり、前向きの症例集積および検体収集を行った。目標症例数のうち切除例13例のうち9例、悪性胸水は7例のうち3例について書面での同意を得たうえで登録し検体を収集することができた。同時に、性別、 年齢、 喫煙歴、 並存疾患、内服薬、 他癌の 既往、 術前治療歴、腫瘍の 組織型、TNM stage、腫瘍径、リンパ節転移の 有無、PET/CTでの主腫瘍のSUVmax、 EGFRや ALKなどのドライバー遺伝子変異の有無、病理組織診断での胸膜浸潤の有無、脈管浸潤の有無、手術術式、手術時間、出血量、周術期合併症、術後補助化学療法の 有無などの臨床情報を医療記録から抽出、収集してデータベースを作製している。今後は予後に関する情報を定期的に収集し、アップデートしていく予定である。
末梢血および切除腫瘍もしくは悪性胸水のflowcytometryを行い、腫瘍浸潤リンパ球の解析を開始しており、同時に血清を保存してそこからHMGB-1や血清中サイトカインの解析を行っていく予定である。flowcytometryの表面抗原においては、腫瘍特異的な反応を示すCD39+ / CD103+のdouble positive CD8 T cellに着目しているが、現在までの結果ではほかの腺癌腫瘍に比較して浸潤性粘液腺癌では少ない傾向にあることがわかった。
過去の症例を用いた後方視的な解析は免疫染色に必要なブロックからのパラフィン切片作製が半分ほど終えたところであり、免疫染色を開始するのにはまだ時間が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前向きの症例集積はほぼ予定通り進んでいるものの、後ろ向きの免疫組織化学染色の解析がまだできていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
場合によっては後方視的解析をいったん中断して前向き解析に資源を集中投資する選択肢を考慮している。
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Causes of Carryover |
後方視的解析の免疫組織化学染色に取り掛かれていないため、そのぶんの物品費を来年度に繰り越しているため。
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