2020 Fiscal Year Research-status Report
酸化ストレスによる内皮グリコカリックスの障害に対するアルブミンを用いた治療戦略
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20K17787
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
数馬 聡 札幌医科大学, 医学部, 講師 (20722060)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | グリコカリックス / アルブミン / 虚血再灌流障害 / スフィンゴシン 1-リン酸 / 電子顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
虚血再灌流障害モデルのラットにおいて,透過型および走査型電子顕微鏡の観察で虚血再灌流障害により内皮グリコカリックスは障害を受けることを見出し,さらにアルブミンはその障害に対して保護することが示唆された.また,ELISA法において,グリコカリックスの構成成分であるシンデカン-1は虚血再灌流障害で上昇し,アルブミンの前投与でこの上昇は抑制されることが分かった.この作用はS1P阻害薬を投与することで,このアルブミンの抑制効果は消失した.心臓の浮腫の程度はアルブミン群で最も軽度であり,虚血再灌流群で最大であった.以上から,in vivoにおいて,アルブミンは虚血再灌流障害によるeGCXの障害に対して保護作用を有することが示唆された. これらの結果に関して第48回日本集中治療医学会総会で優秀演題候補に選出された.現在,追加検討を行うとともに,論文作成の最終段階である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の仮説であった,in vivoにおけるアルブミンの虚血再灌流障害でのeGCXの障害に対する保護作用をある程度証明することができ,現在論文作成の最終段階にあるため.
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Strategy for Future Research Activity |
投与するアルブミンの濃度設定に関して,再検討が必要であり,今後検討を行う必要がある.
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Causes of Carryover |
研究の進行が予想よりも進んでおり,翌年度分として請求した助成金と併せて,さらなる研究に使用する抗体や電子顕微鏡に使用する薬品,実験動物を購入する必要が生じたため.
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