2023 Fiscal Year Research-status Report
妊娠高血圧症候群における脳脊髄液の比重変化と脊髄くも膜下麻酔範囲への影響
Project/Area Number |
20K17794
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
細川 幸希 昭和大学, 医学部, 講師 (00348765)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 妊娠高血圧症候群妊婦の髄液比重 |
Outline of Annual Research Achievements |
妊娠高血圧症候群は全身麻酔における気管挿管の際の困難気道や脳出血のリスクが高いため、帝王切開時の麻酔として脊髄くも膜下麻酔が第一選択となる.したがって、脊髄くも膜下麻酔の確実な遂行は母体の安全性向上という点で重要な意味を持つ.近年,妊娠高血圧症候群の髄液のタンパク組成が正常妊婦と異なることが報告された.髄液のタンパク組成の相違は比重の相違と関連し,脊髄くも膜下麻酔の麻酔効果と密接に関連する.しかしながら,妊娠高血圧症候群における髄液比重と脊髄くも膜下麻酔の麻酔効果について検証した報告はない. 本研究の目的は,妊娠高血圧症候群と正常妊婦における髄液の比重と,脊髄くも膜下麻酔の麻酔効果の相違ついて明らかにすることである. 髄液の比重については帝王切開または無痛分娩にて脊髄くも膜下麻酔を行う際に髄液を採取し測定する。本研究は前向きの観察研究のため、研究開始にあたり本学倫理委員会の承認が必要であった。倫理委員会にて、妊婦を対象としている点で高度な倫理的配慮が必要との判断から研究の実施手順について見直しをはかった。複数回のやり取りの結果、倫理委員会の承認を得たため、2023年度より研究対象者のリクルートを開始した。目標症例数は妊娠高血圧症候群120症例,正常妊婦120症例と設定したが、妊娠高血圧症候群合併妊婦の分娩は緊急で実施されることが多く、検体採取可能な時間帯の症例のリクルートに難渋している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は妊娠高血圧症候群合併妊婦と正常妊婦における髄液の比重の相違、それによる脊髄くも膜下麻酔の麻酔効果の相違を明らかにすることを目的としている。髄液の比重については、帝王切開または無痛分娩にて脊髄くも膜下麻酔を行う際に髄液を採取し測定する。 本研究は前向きの観察研究のため、研究開始にあたり本学倫理委員会の承認が必要であった。倫理委員会にて、妊婦を対象としている点で高度な倫理的配慮が必要との判断から研究の実施手順について見直しをはかった。複数回のやり取りの結果、倫理委員会の承認を得たため、研究対象者のリクルートを実施中である。緊急症例が多いためリクルートが進んでいない。また、臨床業務の負担増加におり研究のエフォートが減少したため、研究遂行が遅滞していた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究対象者のリクルート、帝王切開や無痛分娩における髄液検体の採取、帝王切開における麻酔効果の調査を進める。今年度は人員拡充が見込めるため研究のエフォートを増やし、緊急手術時の対応を見直してリクルートをすすめることで研究を推進できると考える。
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Causes of Carryover |
症例リクルートが予定通り進まなかったため検体検査費用としての物品費、旅費を計上しなかった。次年度研究対象者における検体検査費用として物品費を使用予定である。
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