2021 Fiscal Year Research-status Report
脳水チャネル調節での脳浮腫抑制と低酸素プレコンディショニングによる脳神経保護
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20K17797
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
石原 亮太 愛知医科大学, 医学部, 助教 (60786862)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | SH-SY5Y / T型Ca2+チャネル |
Outline of Annual Research Achievements |
SH-SY5Y細胞に各種濃度のブピバカインを24時間投与したところ、細胞の生存率が濃度依存的に抑制された。さらに、1mMのブピバカインは時間依存的にSH-SY5Y細胞の生存も抑制した。Tetrodotoxin(Na+チャネル阻害薬)、tetraethylammonium(K+チャネル阻害薬)、nifedipine(L型Ca2+チャネル阻害薬)、ω-conotoxin(N型Ca2+チャネル阻害薬)、 SNX-482(R型Ca2+チャネル阻害薬)、ω-agatoxin(P型Ca2+チャネル阻害薬)の単独投与はSH-SY5Y細胞の生存率に影響を示さなかった。同様に、これらのイオンチャネル阻害薬はブピバカイン(1mM)によって誘導された神経細胞死にも影響を及ばなかった。NifedipineはSH-SY5Y細胞の生存やブピバカインの神経細胞毒性作用を影響しなかったことに対して、T型およびL型Ca2+チャネル阻害薬であるmibefradilは濃度依存的にSH-SY5Yの細胞死を誘導したと同時に、ブピバカインによって誘導された神経毒性作用も増強させた。さらに、最近に報告された特異性の高いT型Ca2+チャネル阻害薬であるNNC55-0396を用いてもmibefradil と同様な実験結果が得られた。これらの結果からはSH-SY5Y細胞においてT型Ca2+チャネルはSH-SY5Y細胞の生存に重要な役割を果たし、ブピバカインはT型Ca2+チャネルの阻害を介して、神経毒性をもたらす可能性が示唆された。T型Ca2+チャネルはCav3.1、Cav3.2及びCav3.3の3つのサブタイプが存在するが、これからはどのサブタイプがSH-SY5Y細胞の生存及びブピバカインによる誘導された細胞毒性作用に関わっているかを同定する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
プレコンディショニングの実験では予測したような結果が得られず、研究方法を変更して現在研究を遂行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
SH-SY5Y細胞において、局所麻酔薬であるブピバカインはT型カルシウムチャネルを阻害し、神経細胞死を誘導することを解明できた。今後、T型カルシウムチャネルのサブタイプの同定をした上に、その細胞内シグナル伝達回路を解析する予定である。
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Causes of Carryover |
研究を遂行するため細胞培養液、シグナル伝達の阻害薬、ウェスタンブロットの抗体などの購入の必要があったため。
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