2020 Fiscal Year Research-status Report
in vitro検査を用いたアナフィラキシー原因物質の同定と発症メカニズムの特定
Project/Area Number |
20K17803
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
堀内 辰男 群馬大学, 大学院医学系研究科, 助教 (10814212)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | アナフィラキシー |
Outline of Annual Research Achievements |
アナフィラキシーは生命に関わる重篤な病態である。皮膚テストは原因物質同定のためのゴールドスタンダードの検査であるが、アナフィラキシーの再発を含めた重篤な合併症が報告されているほか、検査時に痛みを伴う。申請者は、原因物質の同定に好塩基球活性化試験(Basophil activation test, BAT)が有用であることを報告してきた。しかし、一部の患者では、アレルゲン暴露後も好塩基球が活性化しないことが判明した。 本研究の目的は、BATで原因が同定できない患者に、肥満細胞活性化試験(Mast cell activation test, MAT)を行い、in vitroの検査による、周術期アナフィラキシーの診断精度を向上させることである。これにより、リスクのある皮膚テストを回避できる可能性があるため、研究の意義は大きい。また、好塩基球や肥満細胞の細胞内シグナルを抑制する薬剤を用いた検査により、アナフィラキシーの発症の分子基盤を解明し、予防薬の開発や治療法の改善につなげる予定である。 申請者はBATとMATを組み合わせることで、アナフィラキシーの発症形式を分類できると考えている。周術期アナフィラキシーが発症した患者に対して、皮膚テストで確定した原因物質によるBATを行う。BATも複数の検査を行うことにより、BATで陽性反応が得られた場合でも、種類を分類できると考えられる。また、BATが反応しない場合でもMATを行うことで、アナフィラキシーの発症メカニズムを推測できると考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度は、BAT研究を引き続き実施し、アナフィラキシーの発症メカニズムを検索した。同時にはMATを実施するための基盤整備を進めた。
|
Strategy for Future Research Activity |
2021年度も引き続きBAT研究を行い、アナフィラキシー発症メカニズムの解明を進める。同時に、MATの実施準備を進める。そのために、肥満細胞培養を進める予定である。
|
Causes of Carryover |
研究実施に必要な試薬は2021年度に購入することにしたため、昨年度では差額が生じた。 本年度残額は使用する予定です。
|
Research Products
(7 results)