2022 Fiscal Year Research-status Report
薬理遺伝学を用いた中枢神経回路の選択的な神経活動制御と痛み修飾および高次機能解析
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20K17805
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
太田 浄 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (30761100)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 内側前頭前野皮質 / ノルアドレナリン作動性神経系 / 薬理遺伝学 / 神経障害性疼痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性的に痛みが持続している状態において、ノルアドレナリン作動性神経系の青斑核から内側前頭前野皮質に投射する経路による痛み修飾作用は経時的に変化している可能性がある。逆行性アデノ随伴ウィルスベクターを用いて、青斑核の投射先における人為的な神経活動を制御する薬理遺伝学(DREADD)を構築することが可能であった。神経障害性疼痛モデル(Spinal nerve ligation)を作製して、von Frey filamentを用いた行動解析を経時的に行った。生理学的条件から術後早期のモデルでは鎮痛性に作用するが、次第に痛み促進へと変化することが明らかになった。また、von Frey filamentのみならず、上位中枢における痛みとして、自発痛を評価する実験手法においても同様の結果が得られた。慢性期の神経障害性疼痛モデルにおいて内側前頭前野皮質におけるα1アドレナリン受容体は、DREADDと同じく痛み促進に作用した。内側前頭前野皮質ではノルアドレナリン合成酵素のDopamine-β-Hydroxylaseが免疫組織学的に増加しており、α2アドレナリン受容体との相互関係においてα1優位にしていた可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19蔓延による研究活動の制限による影響
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Strategy for Future Research Activity |
青斑核から投射する経路の人為的操作によって内側前頭前野皮質における神経細胞の興奮性変化がどのように影響するか検討する。
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Causes of Carryover |
COVID-19蔓延による研究活動の停滞によって、当初予定していた計画が遅延している。補助事業期間を申請して、継続していく。
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