アロプレグナノロンおよびオキシトシンは帝王切開術後遷延性術後痛の発症に影響するか

2020 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 20K17809
• Research Institution: Shinshu University
• Principal Investigator: 伊藤 真理子 信州大学, 医学部附属病院, 助教(特定雇用) (60581832)
• Project Period (FY): 2020-04-01 – 2022-03-31
• Keywords: 帝王切開術後遷延性術後痛 / アロプレグナノロン / オキシトシン / 産後うつ

Outline of Annual Research Achievements

血中・唾液および髄液中のアロプレグナノロンおよびオキシトシン等のホルモン検査を行うための検査キットを確保した。ホルモン測定に関して、測定値の比較および安定した測定条件を特定するため健康な成人女性ボランティアを対象とした血中ホルモン測定を追加で予定した。測定キット自体高額なため、ある程度の検体数が揃ってからまとめてホルモン測定する必要があり、現在成人女性ボランティアおよび研究対象患者からの検体採取を並行して行っている。麻酔科の術後回診チームに加え、産科病棟の協力が必要だったが、Covid-19の影響で院内でも患者対応への混乱があり、臨床研究の開始に若干の支障をきたした可能性がある。退院後のアンケートに関して、退院後6か月までのアンケート調査を予定したが、アンケート回収率は術後経過が長いほど低くなる傾向があり、より簡易的に対応できるWebアンケートの作成を進め、退院後育児で多忙が予想される研究対象患者の精神的負担にならないような工夫に努めている。

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

ホルモン測定キットが高額であったため検体数を揃えてからまとめてホルモン測定が必要であり、現状1回目のホルモン測定を行えていない状況である。また、アンケート調査に関しても回収率の低下が問題となり、現在簡易的に入力可能な電子フォームでのアンケートを作成し、被検者のストレスを低減し回収率増加による効率的なデータの確保に努めている。
また、Covid-19の蔓延による院内業務の混乱が本研究の進行に若干の影響を及ぼした可能性は否定できない。

Strategy for Future Research Activity

検体数が集まり次第ホルモン測定を行う予定である。アンケート調査に関してWebアンケートの作成によりアンケートの回収率を上げ、より効率的にデータを得られるようにする。
産後うつについてはエジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)を用いて評価するが、Covid19の蔓延により産後うつの発症が従来と比較して約2倍程度も増える可能性が示唆されており、EPDSスコアを評価する際に社会的情勢の変化を考慮する必要が生じる可能性があり、Covid19に関するアンケート項目を追加で設ける必要があると考える。

Causes of Carryover

今年度の研究計画に遅延が生じており、十分量のホルモン測定を行えていないため、今後追加の検査キットの購入が必要だがその費用が来年度に持ち越されたため。